ある犬のリアルティー

汐兎

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異なる種(犬、猫そして人間)との暮らし

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僕は犬だ。そして猫と人間と生活を共にしている。
みんな異なる種だ。

そして違う食べ物を食べる。相手の食べ物は食べない様にする。
喧嘩をしないためだ。
誰だって、自分の食べ物を取られたら、自分のを取り返して、さらに相手のも取ってやろうと思うだろう。
そのような無限ループへ足を踏み入れると、終わりが見つからない。
戦争と同じ、無駄な労力というものだ。
もっと生産的なことにエネルギーを使う、これが僕の信条だ。

リビングに、水の器が3つある。これは猫姉貴も使う。今流行りのシェアリングだ。
どちらがいつどれで飲んでも良いと決めている。
もし、僕と猫姉貴が同時に喉が渇いていたら、同じ器から一緒に飲めばいい。
ちょっとずつ交互に飲めば頭もぶつからない。

夏になると、大きなガラスの器に水を張って、いくつか角氷を浮かべて遊ぶ。
冷凍庫から角氷を出して用意するのは、当然相棒の仕事だ。
冷凍庫の取っ手の位置が高いところにありすぎるから。
もっと低い位置なら、僕でも出来る、気がする。
猫姉貴と僕は、一緒に角氷の捕まえっこをする。
つるつる滑るから難しいけど、ひゃっこくて僕たちのお気に入りの遊びだ。

お外でも、人間や他の同胞とも顔を合わせるが、努めて愛想よくしてる。
だって、僕が尻尾ふりふりご機嫌だと、みんなが笑顔になるから、楽しいんだ。

みんなに尻尾があって、ふりふりすれば大抵の問題は解決だ、と思う。
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