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これからの方針
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考えがまとまったところで、天井に向けていた視線を下におろすと、小山のような腹が見えた。
いくら何でも太りすぎだ。とりあえず体を絞ることが先決だな。
今の暮らしに問題はない、どころかむしろ裕福な生活を送れている。
しかし侯爵家のお情けにすがっているだけで、なんの後ろ盾もないのが現状だ。
この先 侯爵家当主の気分や状況でどうとでもなってしまうだろう。
表向きは侯爵家の第二夫人と侯爵令息という身分ではあるが、
お母様の魔力のスペックは平民並み、生まれもほとんど平民といっていい。
俺に至っては生まれは貴族で、子爵家の血を引いてはいるが、平民以下の魔力なし。
こんな状況で、魔力絶対主義の貴族社会で生きていくには土台無理があるよな。
それにこの世界があの乙女ゲームの世界ならば、すみやかに貴族社会と縁を切らねば、いつ豚の餌になるとも限らない。というわけで、これから目指す方向性は決まった。
穏便な形で貴族籍をぬけて、平民になる。それも可及的速やかにだ。
そうすれば豚の餌になって母を悲しませることもなく、市井で親子仲良くのびのびと暮らせるというものだ。
あと、貧乏暮しはいやなので、できたら小金持ちの平民を目指したい。
さて、そうと決まれば、具体的に何をするかだが・・・思いつかない。
そりゃそうだ。この世界のことを6歳の俺は何も知らない。
妹の話をもっとよく聞いておくんだった…。
まずはこの世界のことを学び、体を鍛えることだが、学校ってあるのか?
あったとしても、微妙な立場の俺は行かせてもらえるのか・・・
わからないことばかりで頭を抱える俺だった。
夕刻になり、昼間の態度の悪い中年メイドとは違う、そばかすだらけの若いメイドが夕食に呼びに来た。
「坊ちゃま、夕食の準備ができましたよ」
子供好きなのか、いつも俺に笑いかけてくれる優しいメイドだ。たしか、名前はメイだったか。
メイの後ろをとことこついくと、食堂に続く廊下の途中で家令のデモンが明かりをつけて回っているのに遭遇した。デモンはマッチもライターも持っていなかった。
燭台の蝋燭に手をかざすと、赤い光の粒が集まってきて、ポウッと火がついた。火魔法だ。
これまで魔法は何度も見たことがあるのだが、覚醒後初めて見た魔法の美しさに感動してしまう。
「・・・きれい。」
思わず言葉がこぼれてしまった。
デモンがちらりと俺を見て、
「坊ちゃまは魔力なしですからね。見るだけならいくらでもどうぞ」と言ってフンと鼻で笑った。
俺は一応侯爵家の三男という立場なんだが、使用人たちからすると俺たち親子はただの居候くらいの認識のようだ。
それも仕方がないのかもしれない。
これまで毎年、侯爵本人がこの辺鄙な屋敷まで来てくれていたのが、俺が3歳の時を最後に途絶えているのだ。
それからというもの、侯爵家から来ていた洗練された侍女も、メイドもいつのまにか屋敷から消えた。
代わりに現地採用されたのが、あの質の悪いメイドとメイだ。おそらく家令のデモンが入れ替えたのだろう。
世知辛いが、これが現実だ。
家令と料理人と庭師はそのままだが、普段あまり会うことはない。
こうしてたまにあっても不愉快な思いをさせられるので、結構なことだと思うことにする。
いくら何でも太りすぎだ。とりあえず体を絞ることが先決だな。
今の暮らしに問題はない、どころかむしろ裕福な生活を送れている。
しかし侯爵家のお情けにすがっているだけで、なんの後ろ盾もないのが現状だ。
この先 侯爵家当主の気分や状況でどうとでもなってしまうだろう。
表向きは侯爵家の第二夫人と侯爵令息という身分ではあるが、
お母様の魔力のスペックは平民並み、生まれもほとんど平民といっていい。
俺に至っては生まれは貴族で、子爵家の血を引いてはいるが、平民以下の魔力なし。
こんな状況で、魔力絶対主義の貴族社会で生きていくには土台無理があるよな。
それにこの世界があの乙女ゲームの世界ならば、すみやかに貴族社会と縁を切らねば、いつ豚の餌になるとも限らない。というわけで、これから目指す方向性は決まった。
穏便な形で貴族籍をぬけて、平民になる。それも可及的速やかにだ。
そうすれば豚の餌になって母を悲しませることもなく、市井で親子仲良くのびのびと暮らせるというものだ。
あと、貧乏暮しはいやなので、できたら小金持ちの平民を目指したい。
さて、そうと決まれば、具体的に何をするかだが・・・思いつかない。
そりゃそうだ。この世界のことを6歳の俺は何も知らない。
妹の話をもっとよく聞いておくんだった…。
まずはこの世界のことを学び、体を鍛えることだが、学校ってあるのか?
あったとしても、微妙な立場の俺は行かせてもらえるのか・・・
わからないことばかりで頭を抱える俺だった。
夕刻になり、昼間の態度の悪い中年メイドとは違う、そばかすだらけの若いメイドが夕食に呼びに来た。
「坊ちゃま、夕食の準備ができましたよ」
子供好きなのか、いつも俺に笑いかけてくれる優しいメイドだ。たしか、名前はメイだったか。
メイの後ろをとことこついくと、食堂に続く廊下の途中で家令のデモンが明かりをつけて回っているのに遭遇した。デモンはマッチもライターも持っていなかった。
燭台の蝋燭に手をかざすと、赤い光の粒が集まってきて、ポウッと火がついた。火魔法だ。
これまで魔法は何度も見たことがあるのだが、覚醒後初めて見た魔法の美しさに感動してしまう。
「・・・きれい。」
思わず言葉がこぼれてしまった。
デモンがちらりと俺を見て、
「坊ちゃまは魔力なしですからね。見るだけならいくらでもどうぞ」と言ってフンと鼻で笑った。
俺は一応侯爵家の三男という立場なんだが、使用人たちからすると俺たち親子はただの居候くらいの認識のようだ。
それも仕方がないのかもしれない。
これまで毎年、侯爵本人がこの辺鄙な屋敷まで来てくれていたのが、俺が3歳の時を最後に途絶えているのだ。
それからというもの、侯爵家から来ていた洗練された侍女も、メイドもいつのまにか屋敷から消えた。
代わりに現地採用されたのが、あの質の悪いメイドとメイだ。おそらく家令のデモンが入れ替えたのだろう。
世知辛いが、これが現実だ。
家令と料理人と庭師はそのままだが、普段あまり会うことはない。
こうしてたまにあっても不愉快な思いをさせられるので、結構なことだと思うことにする。
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