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番外編(ルクレツィオ視点)
分けられた公私と私の戸惑い
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翌朝、神殿から帰ってくると王太子妃の執務をベレニーチェが、涼しい顔でこなしていた。
「てっきり慌てているかと思ったが……」
「全て一度経験済みの執務ですから、これくらい余裕ですよ」
そうだった。ベレニーチェは馬鹿だが、一度得た知識を忘れない……賢いのか馬鹿なのか、よく分からない奴だった。
「水道設備についての見解を求められたので、私なりの見解をまとめておきました。イストリアの水道設備は、とても高度ですね。さながらAcquedotto romanoを思い起こす素晴らしさがあります」
ベレニーチェが私に渡した見解書は、とても分厚かった。見解を求められたからといって、このように水道設備だけで、よく語れるものだ。
私がベレニーチェのまとめた見解に目を通すと、イストリアの水道は魔力を使わず、全て人の知識と技術によって作られている事を知った。
数百年かけて建設され、現在10の水道から万遍なく水が供給されているらしい。
時には50メートル以上のくぼ地を通る個所で、サイフォンと呼ばれるパイプの圧力を利用し、水を上昇させ、上下水道を可能にしているとベレニーチェの見解書には書かれていた。そして、ほとんど全ての水道で、川や谷を超えて水を運ぶための水管橋が使用されていると。
偶然の故障や、堆積物の掃除、天然水に含まれる炭酸カルシウムの析出物の除去のために、包括的なメンテナンスシステムを必要とし、それが定期的に行われているそうだ。そのため、地下の導水渠には一定の間隔で立坑が設けられているそうだが、さっぱり分からぬ。
「この見解も一度経験済みなのか?」
「以前は、王太子が担うほぼ全ての執務を私が担っておりました。貴方はそれにサインもしくは印を押すだけだったので……」
そうだったな……。
はぁ、頭が痛くなってきた……。
「これは全て私たちにとって必要な知識と、やらなければならない執務です。私たちは、国王陛下の政務の補助的なお仕事ですが、それでも貴方はいずれ国王陛下がなさっている全てを出来るようにならなければいけません」
「全て……?」
い、いや、勿論……分かっている。分かってはいるが、父上のように出来るだろうか……。あの人は優しいだけに見えて、実はとても有能なのだが……。
「出来るだろうか?」
「出来ます。というより、陛下がお一人ではないように殿下もお一人ではありません。私たちがサポートし、共に歩んでいくので大丈夫ですよ」
ベレニーチェの言葉に安堵しつつ、ベレニーチェの手元を見ると、話しながらも次々と執務をこなしていっている。
私は今朝まで、ベレニーチェのような愚か者がいずれ王妃となれるのだろうかと心配していたが、杞憂だったようだ。
ベレニーチェは公私を分けている。執務中は父上を陛下と呼び、私を殿下と自然に呼んでいる。
いつもやれば出来ると言っていたが、こういう事だったのかと、今実感している。
当然ながら、突飛な発言や行動もない。
頭に入っている知識をフル活用し、大臣たちと議論を交わしながら、執務を片付けていっている。
こういうところは勉強が出来る賢さだけでなく、天性の賢さがあるのだろうなと思ってしまう。
普段の行動も、もう少し賢くなればとは思うが、それはそれでギャップがあって良いのかもしれぬ。
私はそのような事を考えながら、己の執務をこなす事にした。ベレニーチェの過去の私のように、全てをベレニーチェに押し付けるような真似だけは絶対にせぬ。
私は共にベレニーチェと肩を並べて歩いていくと婚儀の折、神の前で誓ったのだ。
「ベレニーチェ……、あ、いや……」
ベレニーチェが私を殿下と呼ぶなら、私は公式の場ではベレニーチェを何と呼べば良いのだろうか……。
父上は母上の事を我が妃や王妃と呼んでいたな……。おじ様もおば様のことを女王と呼んでいた。
では、私も妃や王太子妃と呼べば良いのか?
「ベレニーチェで大丈夫ですよ。それより、どうしたんですか?」
私の頭の中を疑問符が飛び交っていると、ベレニーチェがいつものような屈託のない笑顔を向けてくれたので、安心した。
執務中のベレニーチェは別人のようだ。学者のような顔をしながら、知識を活用していっている。
「あっ、いや……エトルリアの土木建築技術は、とても素晴らしいものがある。エトルリアの方々を招き、教えを乞えないだろうか?」
「ああ、道路の整備の件ですね。そうですね、お父様に伝えておきますね」
この場でも、お父様はお父様と呼ぶのだな……。エトルリア王でもなく、陛下でもないのだな。
私の中にモヤモヤした嫉妬のような感情が顔を出しそうになったが、私は何とかそれを追いやり、執務へと戻った。
「あー、疲れた。お腹空きましたね。何か作りますか?」
執務が終わるとベレニーチェの顔がいつもの能天気な顔に戻った。馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、これは褒めてやらねばならぬのだろうな。
だが、おじ様への嫉妬心のせいか、上手く褒めてやれる気がせぬ。寧ろ、交わりの時に八つ当たってしまいそうだ。
「みなさーん、何食べますか? 軽く何か作りますよー」
ベレニーチェが皆に聞いて回っているが、皆が皆、執務が終わったら各々する事があるようで、やんわりと断られていた。
床に座り込みながら、悲しーと叫んでいる。
こういうところは何一つ変わらぬな。ただの愚か者だ。
「ルクレツィオ。ルクレツィオはいらないって言いませんよね?」
「ん? ああ、一緒に厨房まで行くか?」
「はい!」
私がそう言うと、スキップしたり飛び跳ねたり回ったりしながら、ベレニーチェは厨房へと向かった。
……………これは先程、執務をしていたベレニーチェと同じ人間か? そう疑いたくなるほど、表情も態度も違う。ギャップがあり過ぎだろう。
「ルクレツィオは何食べたいですか?」
「ティンバッロが食べたい。だが、ピセッリは入れるな」
「ああ、はいはい。ルクレツィオの嫌いなものは熟知しているので大丈夫ですよ」
厨房に行くと、ベレニーチェがテキパキと調理器具の用意をし始めた。
「何か手伝う事はあるか?」
「マッケローニと、詰めたい肉と野菜を持ってきて下さい。あと冷所で寝かせてあるパイ生地の様子も確認しておいて下さい」
私が言われた通り用意すると、ベレニーチェが礼を言い、それを受け取り手早く作り始めた。
このティンバッロは甘いパイの中に塩気のある具材がぎっしり入っていて、とても美味いのだ。
何やらトマトの歌を歌いながら作っているが、私はそんなベレニーチェを放っておきつつ、味つけられ調理されているパイの中身をつまみ食いしていた。
「あー! つまみ食いは駄目ですよー!」
「ああ、すまぬ」
「すまぬと言いながら、お皿に取り分けるのやめて下さい!」
ベレニーチェがキーキーと言っているが、私がそれを無視していたら、ベレニーチェは何も言わなくなった。
ベレニーチェがオーブンにティンバッロを入れ、頃合いを見て、入れ替えようとしたので、私がやると言うと、ベレニーチェがとても驚いた顔をした。
「えっ!? 大丈夫ですか? 火傷しないで下さいねっ!?」
「馬鹿にするな……これくらい……っ!」
「ぎゃあっ! だから、言ったじゃないですか! 早く冷やして、ばかぁ!」
ベレニーチェは叫びながら、私の手を氷水に突っ込んだ。心なしか、厨房にいる皆に生暖かい目を向けられている気がするが……。
その後、ティンバッロが焼けたので、父上たちにお裾分けしがてら、母上に回復魔法で火傷を治して頂いた。
◆後書き◇
ベレニーチェは執務が終わると、素に戻ります。知識とそれを活用するのが好きなので、一見すると、まともに見えます。執務中は。
メートル法に関しては現在も使われていますし、イタリアにおいてはトスカーナが1860年にサルデーニャ王国に併合され、1861年にイタリア王国として成立した頃から用いられた単位でもあるので、こちらでも使用しています。
ローマ水道の参考URL(日本語ではなくイタリア語です)
https://it.m.wikipedia.org/wiki/Acquedotto_romano
「てっきり慌てているかと思ったが……」
「全て一度経験済みの執務ですから、これくらい余裕ですよ」
そうだった。ベレニーチェは馬鹿だが、一度得た知識を忘れない……賢いのか馬鹿なのか、よく分からない奴だった。
「水道設備についての見解を求められたので、私なりの見解をまとめておきました。イストリアの水道設備は、とても高度ですね。さながらAcquedotto romanoを思い起こす素晴らしさがあります」
ベレニーチェが私に渡した見解書は、とても分厚かった。見解を求められたからといって、このように水道設備だけで、よく語れるものだ。
私がベレニーチェのまとめた見解に目を通すと、イストリアの水道は魔力を使わず、全て人の知識と技術によって作られている事を知った。
数百年かけて建設され、現在10の水道から万遍なく水が供給されているらしい。
時には50メートル以上のくぼ地を通る個所で、サイフォンと呼ばれるパイプの圧力を利用し、水を上昇させ、上下水道を可能にしているとベレニーチェの見解書には書かれていた。そして、ほとんど全ての水道で、川や谷を超えて水を運ぶための水管橋が使用されていると。
偶然の故障や、堆積物の掃除、天然水に含まれる炭酸カルシウムの析出物の除去のために、包括的なメンテナンスシステムを必要とし、それが定期的に行われているそうだ。そのため、地下の導水渠には一定の間隔で立坑が設けられているそうだが、さっぱり分からぬ。
「この見解も一度経験済みなのか?」
「以前は、王太子が担うほぼ全ての執務を私が担っておりました。貴方はそれにサインもしくは印を押すだけだったので……」
そうだったな……。
はぁ、頭が痛くなってきた……。
「これは全て私たちにとって必要な知識と、やらなければならない執務です。私たちは、国王陛下の政務の補助的なお仕事ですが、それでも貴方はいずれ国王陛下がなさっている全てを出来るようにならなければいけません」
「全て……?」
い、いや、勿論……分かっている。分かってはいるが、父上のように出来るだろうか……。あの人は優しいだけに見えて、実はとても有能なのだが……。
「出来るだろうか?」
「出来ます。というより、陛下がお一人ではないように殿下もお一人ではありません。私たちがサポートし、共に歩んでいくので大丈夫ですよ」
ベレニーチェの言葉に安堵しつつ、ベレニーチェの手元を見ると、話しながらも次々と執務をこなしていっている。
私は今朝まで、ベレニーチェのような愚か者がいずれ王妃となれるのだろうかと心配していたが、杞憂だったようだ。
ベレニーチェは公私を分けている。執務中は父上を陛下と呼び、私を殿下と自然に呼んでいる。
いつもやれば出来ると言っていたが、こういう事だったのかと、今実感している。
当然ながら、突飛な発言や行動もない。
頭に入っている知識をフル活用し、大臣たちと議論を交わしながら、執務を片付けていっている。
こういうところは勉強が出来る賢さだけでなく、天性の賢さがあるのだろうなと思ってしまう。
普段の行動も、もう少し賢くなればとは思うが、それはそれでギャップがあって良いのかもしれぬ。
私はそのような事を考えながら、己の執務をこなす事にした。ベレニーチェの過去の私のように、全てをベレニーチェに押し付けるような真似だけは絶対にせぬ。
私は共にベレニーチェと肩を並べて歩いていくと婚儀の折、神の前で誓ったのだ。
「ベレニーチェ……、あ、いや……」
ベレニーチェが私を殿下と呼ぶなら、私は公式の場ではベレニーチェを何と呼べば良いのだろうか……。
父上は母上の事を我が妃や王妃と呼んでいたな……。おじ様もおば様のことを女王と呼んでいた。
では、私も妃や王太子妃と呼べば良いのか?
「ベレニーチェで大丈夫ですよ。それより、どうしたんですか?」
私の頭の中を疑問符が飛び交っていると、ベレニーチェがいつものような屈託のない笑顔を向けてくれたので、安心した。
執務中のベレニーチェは別人のようだ。学者のような顔をしながら、知識を活用していっている。
「あっ、いや……エトルリアの土木建築技術は、とても素晴らしいものがある。エトルリアの方々を招き、教えを乞えないだろうか?」
「ああ、道路の整備の件ですね。そうですね、お父様に伝えておきますね」
この場でも、お父様はお父様と呼ぶのだな……。エトルリア王でもなく、陛下でもないのだな。
私の中にモヤモヤした嫉妬のような感情が顔を出しそうになったが、私は何とかそれを追いやり、執務へと戻った。
「あー、疲れた。お腹空きましたね。何か作りますか?」
執務が終わるとベレニーチェの顔がいつもの能天気な顔に戻った。馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、これは褒めてやらねばならぬのだろうな。
だが、おじ様への嫉妬心のせいか、上手く褒めてやれる気がせぬ。寧ろ、交わりの時に八つ当たってしまいそうだ。
「みなさーん、何食べますか? 軽く何か作りますよー」
ベレニーチェが皆に聞いて回っているが、皆が皆、執務が終わったら各々する事があるようで、やんわりと断られていた。
床に座り込みながら、悲しーと叫んでいる。
こういうところは何一つ変わらぬな。ただの愚か者だ。
「ルクレツィオ。ルクレツィオはいらないって言いませんよね?」
「ん? ああ、一緒に厨房まで行くか?」
「はい!」
私がそう言うと、スキップしたり飛び跳ねたり回ったりしながら、ベレニーチェは厨房へと向かった。
……………これは先程、執務をしていたベレニーチェと同じ人間か? そう疑いたくなるほど、表情も態度も違う。ギャップがあり過ぎだろう。
「ルクレツィオは何食べたいですか?」
「ティンバッロが食べたい。だが、ピセッリは入れるな」
「ああ、はいはい。ルクレツィオの嫌いなものは熟知しているので大丈夫ですよ」
厨房に行くと、ベレニーチェがテキパキと調理器具の用意をし始めた。
「何か手伝う事はあるか?」
「マッケローニと、詰めたい肉と野菜を持ってきて下さい。あと冷所で寝かせてあるパイ生地の様子も確認しておいて下さい」
私が言われた通り用意すると、ベレニーチェが礼を言い、それを受け取り手早く作り始めた。
このティンバッロは甘いパイの中に塩気のある具材がぎっしり入っていて、とても美味いのだ。
何やらトマトの歌を歌いながら作っているが、私はそんなベレニーチェを放っておきつつ、味つけられ調理されているパイの中身をつまみ食いしていた。
「あー! つまみ食いは駄目ですよー!」
「ああ、すまぬ」
「すまぬと言いながら、お皿に取り分けるのやめて下さい!」
ベレニーチェがキーキーと言っているが、私がそれを無視していたら、ベレニーチェは何も言わなくなった。
ベレニーチェがオーブンにティンバッロを入れ、頃合いを見て、入れ替えようとしたので、私がやると言うと、ベレニーチェがとても驚いた顔をした。
「えっ!? 大丈夫ですか? 火傷しないで下さいねっ!?」
「馬鹿にするな……これくらい……っ!」
「ぎゃあっ! だから、言ったじゃないですか! 早く冷やして、ばかぁ!」
ベレニーチェは叫びながら、私の手を氷水に突っ込んだ。心なしか、厨房にいる皆に生暖かい目を向けられている気がするが……。
その後、ティンバッロが焼けたので、父上たちにお裾分けしがてら、母上に回復魔法で火傷を治して頂いた。
◆後書き◇
ベレニーチェは執務が終わると、素に戻ります。知識とそれを活用するのが好きなので、一見すると、まともに見えます。執務中は。
メートル法に関しては現在も使われていますし、イタリアにおいてはトスカーナが1860年にサルデーニャ王国に併合され、1861年にイタリア王国として成立した頃から用いられた単位でもあるので、こちらでも使用しています。
ローマ水道の参考URL(日本語ではなくイタリア語です)
https://it.m.wikipedia.org/wiki/Acquedotto_romano
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