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康弘の想い
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「では帰りましょうか」
「は、はい……」
朝になっても心臓が落ち着かず、むしろ康弘が側にいるだけでひどくなっている気がした。こんな状態で助手席なんて乗れるのだろうかと思いながらも、ドアを開けてくれると断れずにおずおずと座席に腰を下ろす。
(昨日の夢のせいで変にドキドキしちゃう……)
退院前診察で不整脈を指摘されたらどうしようと真剣に悩んだくらい今心拍数も脈拍もおかしいのだ。瑞希は熱くなる頬を押さえて、はぁっと小さく溜息をついた。
康弘が夢に出てきたことは初めてではないが、一緒に暮らすようになってからは自然と見なくなっていた。それがまさかあのような淫らな夢を見るなんて……
(何かあるのかな……以前、夢を見ていたのは不安からだと思うんだけど……)
安東の事件がトリガーとなり、康弘に惹かれている心に気づけた。きっかけがないと、自分ですら自分の感情と上手に向き合えないのだから、もしかするとまだ気づけていない何かがあるのかもしれない。
(夢の原因になるような……感情……)
瑞希は車窓から景色を眺めがら、自分の心を整理してみることにした。
試用期間は早々に終わり、結婚の話は着実に進んでいる。彼は必ず幸せにするとも言ってくれて、とても瑞希を大切にしてくれている。順調なのに、なぜあのような欲求不満のような夢を見るのだろうか。
瑞希は、正面を見据えて真剣な表情で運転する康弘をちらりと盗み見た。その顔を見ていると、あることに思い至る。
(そういえば私……康弘さんに好きって言われていない)
夢の中では好きだの愛しているだのたくさん言ってくれたが、あれは瑞希の都合のいい夢で現実じゃない。
それに彼は……精一杯愛しますや好きになってくださいなどはよく言っている気がするが、肝心な本心を言ってくれていないではないか。
(私と結婚したがっているのは知っているけど、それは会社の利益とか康弘さんの条件とかに、私がうまくハマったからよね?)
それが無意識に不安となって、あのような夢として出たのだろうか。いや、不安よりも願望のほうが大きいかもしれない。
彼に愛されたい、彼と愛し合いたいという願望のほうが――
だからあのような破廉恥な夢なのだろうかと考えながら、彼をジッと見つめる。
「……あの、瑞希? そんなに見られていると落ち着かないのですが……。何か言いたいことがあるなら、遠慮なくどうぞ」
「ご、ごめんなさい……」
苦笑する彼に気まずげに横に向けている顔を正面に戻し、膝の上で両手を握り込んだ。
言いたいことなんて――そんなの一つしかない。彼の想いが知りたい。
(結婚するなら必ず話し合わなければならないことよね……。問題はいつ尋ねればいいのかだけど……)
そんなの早いほうがいいに決まっている。芽生えた不安は放っておくと次第に大きくなって心を蝕む。
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて今聞いちゃおう、かな……」
「どうぞ」
「は、はい……えっと……」
いざ話すとなるとなんだか緊張してきて、ごくっと生唾を呑み込んだ。内心では冷や汗ダラダラだ。
瑞希が頭の中でぐるぐると切り出し方を考えていると、赤信号で車をとめた康弘が瑞希のほうに顔を向け手を握ってくれた。
「瑞希。そんな顔をして一体どうしたんですか? 不安なことがあるなら隠さずに教えてください。それとも車内のような狭い空間だと、昨日のことを思い出して怖いんですか?」
康弘はすごく真摯な表情だ。彼が瑞希を大切にしようとしてくれているのは改めて聞かなくても分かる。問題は愛を育めているかどうかだ。
瑞希は小さく首を横に振って「怖くはないです」と伝えてから、彼の顔を真剣に見た。
「つかぬことをお伺いしますが……康弘さんは私のことどう思っているんですか? 私に恋情的なものってありますか?」
「恋心はありません」
「……そ、そうですか」
すかさず返ってきた言葉に愕然とする。手足が急速に冷えてきて、涙が滲んでくる。
恋などしたくないと言っておきながら、ひとたび彼を好きになってしまえば彼と恋をしたいと思ってしまう都合のいい自分が嫌になる。瑞希は泣かないようにぎゅっと唇を噛んだ。が、続いて飛び出してきた言葉に目を大きく見開く。
「恋ではなく愛ですから」
「へ?」
「最初に言ったはずです。愛し合えばいいと――」
彼は至極真面目な顔で瑞希を見据えた。心臓が早鐘を打って、顔に熱が集まってくる。何も言えない瑞希を見てフッと笑った彼は顔を正面に戻し、車を発進させた。
(そ、それって私のこと愛してるってこと? え? い、いつから?)
瑞希はぎこちのない動きで下を向くと、上擦った声で彼に問いかけた。
「いつから私を……あ、愛して、くれていたんですか?」
「具体的にいつからとは言えないのですが、体を交えた以降……自分の中で急速に貴方を想う気持ちが強くなっていったように思います。好ましく思う気持ちが次第に独占欲へと変わり――どうしようもなく貴方を求め離したくないと考えるようになりました。それ以上に、悲しませたくない。幸せにしたい。喜んでほしい。笑っていてほしい。という感情が心を占有しました」
「康弘さん……」
思っていた以上の気持ちが返ってきて、瑞希はうまく返事ができなかった。唇がわなないて涙がぽろぽろと頬をつたう。
「俺は死ぬ瞬間まで瑞希を愛し抜く自信と覚悟があります。必ず幸せにすると誓いますから、俺と添い遂げてください。結婚してくれますか?」
「う、うれ……しい。わ、私も、や、康弘……さんを、必ず……幸せに、しますっ」
泣いているせいか、うまく言葉を紡げない。
瑞希が言葉を詰まらせながら何度も首を縦に振ると、康弘が困り顔で笑う。
「泣かないでください。今は運転中なのでその涙を拭うことも抱き締めることもできないんですよ」
「だって……」
「瑞希……俺たちは出会ってから今日まで急ピッチに進みすぎています。可及的速やかに物事が進むのは悪いことではありませんが、瑞希の心が置いてけぼりになるのは本意ではありません。今後はゆっくりと二人の時間を持ちましょう。たくさんデートもしましょうね」
「はい」
こくこくと頷く。
泣くなと言うくせに康弘の言葉が瑞希を泣き止ませてくれないのだ。
瑞希は抱きつきたい気持ちを抑えながら、康弘の横顔をジッと見つめた。運転しているので視線が絡むことはないが、彼がとても優しい表情をしているのは分かる。
(帰ったらいっぱい抱きつこう)
「は、はい……」
朝になっても心臓が落ち着かず、むしろ康弘が側にいるだけでひどくなっている気がした。こんな状態で助手席なんて乗れるのだろうかと思いながらも、ドアを開けてくれると断れずにおずおずと座席に腰を下ろす。
(昨日の夢のせいで変にドキドキしちゃう……)
退院前診察で不整脈を指摘されたらどうしようと真剣に悩んだくらい今心拍数も脈拍もおかしいのだ。瑞希は熱くなる頬を押さえて、はぁっと小さく溜息をついた。
康弘が夢に出てきたことは初めてではないが、一緒に暮らすようになってからは自然と見なくなっていた。それがまさかあのような淫らな夢を見るなんて……
(何かあるのかな……以前、夢を見ていたのは不安からだと思うんだけど……)
安東の事件がトリガーとなり、康弘に惹かれている心に気づけた。きっかけがないと、自分ですら自分の感情と上手に向き合えないのだから、もしかするとまだ気づけていない何かがあるのかもしれない。
(夢の原因になるような……感情……)
瑞希は車窓から景色を眺めがら、自分の心を整理してみることにした。
試用期間は早々に終わり、結婚の話は着実に進んでいる。彼は必ず幸せにするとも言ってくれて、とても瑞希を大切にしてくれている。順調なのに、なぜあのような欲求不満のような夢を見るのだろうか。
瑞希は、正面を見据えて真剣な表情で運転する康弘をちらりと盗み見た。その顔を見ていると、あることに思い至る。
(そういえば私……康弘さんに好きって言われていない)
夢の中では好きだの愛しているだのたくさん言ってくれたが、あれは瑞希の都合のいい夢で現実じゃない。
それに彼は……精一杯愛しますや好きになってくださいなどはよく言っている気がするが、肝心な本心を言ってくれていないではないか。
(私と結婚したがっているのは知っているけど、それは会社の利益とか康弘さんの条件とかに、私がうまくハマったからよね?)
それが無意識に不安となって、あのような夢として出たのだろうか。いや、不安よりも願望のほうが大きいかもしれない。
彼に愛されたい、彼と愛し合いたいという願望のほうが――
だからあのような破廉恥な夢なのだろうかと考えながら、彼をジッと見つめる。
「……あの、瑞希? そんなに見られていると落ち着かないのですが……。何か言いたいことがあるなら、遠慮なくどうぞ」
「ご、ごめんなさい……」
苦笑する彼に気まずげに横に向けている顔を正面に戻し、膝の上で両手を握り込んだ。
言いたいことなんて――そんなの一つしかない。彼の想いが知りたい。
(結婚するなら必ず話し合わなければならないことよね……。問題はいつ尋ねればいいのかだけど……)
そんなの早いほうがいいに決まっている。芽生えた不安は放っておくと次第に大きくなって心を蝕む。
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて今聞いちゃおう、かな……」
「どうぞ」
「は、はい……えっと……」
いざ話すとなるとなんだか緊張してきて、ごくっと生唾を呑み込んだ。内心では冷や汗ダラダラだ。
瑞希が頭の中でぐるぐると切り出し方を考えていると、赤信号で車をとめた康弘が瑞希のほうに顔を向け手を握ってくれた。
「瑞希。そんな顔をして一体どうしたんですか? 不安なことがあるなら隠さずに教えてください。それとも車内のような狭い空間だと、昨日のことを思い出して怖いんですか?」
康弘はすごく真摯な表情だ。彼が瑞希を大切にしようとしてくれているのは改めて聞かなくても分かる。問題は愛を育めているかどうかだ。
瑞希は小さく首を横に振って「怖くはないです」と伝えてから、彼の顔を真剣に見た。
「つかぬことをお伺いしますが……康弘さんは私のことどう思っているんですか? 私に恋情的なものってありますか?」
「恋心はありません」
「……そ、そうですか」
すかさず返ってきた言葉に愕然とする。手足が急速に冷えてきて、涙が滲んでくる。
恋などしたくないと言っておきながら、ひとたび彼を好きになってしまえば彼と恋をしたいと思ってしまう都合のいい自分が嫌になる。瑞希は泣かないようにぎゅっと唇を噛んだ。が、続いて飛び出してきた言葉に目を大きく見開く。
「恋ではなく愛ですから」
「へ?」
「最初に言ったはずです。愛し合えばいいと――」
彼は至極真面目な顔で瑞希を見据えた。心臓が早鐘を打って、顔に熱が集まってくる。何も言えない瑞希を見てフッと笑った彼は顔を正面に戻し、車を発進させた。
(そ、それって私のこと愛してるってこと? え? い、いつから?)
瑞希はぎこちのない動きで下を向くと、上擦った声で彼に問いかけた。
「いつから私を……あ、愛して、くれていたんですか?」
「具体的にいつからとは言えないのですが、体を交えた以降……自分の中で急速に貴方を想う気持ちが強くなっていったように思います。好ましく思う気持ちが次第に独占欲へと変わり――どうしようもなく貴方を求め離したくないと考えるようになりました。それ以上に、悲しませたくない。幸せにしたい。喜んでほしい。笑っていてほしい。という感情が心を占有しました」
「康弘さん……」
思っていた以上の気持ちが返ってきて、瑞希はうまく返事ができなかった。唇がわなないて涙がぽろぽろと頬をつたう。
「俺は死ぬ瞬間まで瑞希を愛し抜く自信と覚悟があります。必ず幸せにすると誓いますから、俺と添い遂げてください。結婚してくれますか?」
「う、うれ……しい。わ、私も、や、康弘……さんを、必ず……幸せに、しますっ」
泣いているせいか、うまく言葉を紡げない。
瑞希が言葉を詰まらせながら何度も首を縦に振ると、康弘が困り顔で笑う。
「泣かないでください。今は運転中なのでその涙を拭うことも抱き締めることもできないんですよ」
「だって……」
「瑞希……俺たちは出会ってから今日まで急ピッチに進みすぎています。可及的速やかに物事が進むのは悪いことではありませんが、瑞希の心が置いてけぼりになるのは本意ではありません。今後はゆっくりと二人の時間を持ちましょう。たくさんデートもしましょうね」
「はい」
こくこくと頷く。
泣くなと言うくせに康弘の言葉が瑞希を泣き止ませてくれないのだ。
瑞希は抱きつきたい気持ちを抑えながら、康弘の横顔をジッと見つめた。運転しているので視線が絡むことはないが、彼がとても優しい表情をしているのは分かる。
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