一人暮らしだけど一人暮らしじゃない

ツヨシ

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――でも河本はあの廃病院でずっとなにかを感じていたと言ってたぞ。あいつは霊感なんてないはずなのに。

――ああ、あの人ね。わたしもそれは気付いていたわ。この人わたしに気がついていると。それはあの人とは気が合うのよ。

――気が合う?

――幽霊なんて全部精神でできているって言ったけど、全部気でできていると言っていいのかも。気分、気合、元気、気持ち。そういったもの。生きた人間にももちろん気は存在していて、あの人と私の気が合いやすいの。だからわたしのことを感じていたんだわ。

――ふーん。気が合うって相性がいいとかそういったものなのか?

――そうじゃないわよ。全く関係がないものなの。生きて人間で言えば。顔が似ているとか、身長が同じとか、そういったもの。精神エネルギーの波長が似ているってことなのね。

――相性は関係ないのか?

――ないわ。だいたいあの人、わたしと相性は最悪よ。たぶん。

――そうか。それならよかった。

――あらっ、ひょっとしてやきもちやいているの?

――そんなんじゃないよ。

――ふーん、そういうことにしておくわね。一応。

――おいおい。

――で、わたし疲れちゃった。今日はここまでね。また明日ね。

――ああ。また明日。

しばらく経ってから頭の中で語りかけてみたが、やはり返事はなかった。

テレビをぼんやりと見ていると、寝る時間になった。

もう寝ることにした。

彼女とは毎日話ができるのだから。

布団に入ってからあることに気がついた。
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