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それは母方の祖母の家に遊びに行った時のことだ。
家に着くと僕はいつものようにすぐに裏山に昆虫採集に行った。
虫取り網と虫かごを持って。
そして昆虫採集に夢中になっていると、不意に聞こえてきた。
「ほーう、ほーう」
――えっ?
それは頭の上から聞こえた。
見上げるとそこにいた。
藁でできた衣装を身にまとった、不自然なほどに大きな頭で大きなぎょろ目の中年男が宙に浮いていた。
そしてその大きな目で僕を見ているのだ。
「ほーう、ほーう」
その声は宙に浮いた男が発していた。
「うわっ!」
怖くなった僕は、虫取り網も虫かごも投げ捨てて、走って逃げた。
そして息も絶え絶えになりながら、祖母の家に駆けこんだ。
「どうしたんじゃ」
そんな僕を見て祖母がそう言うので、僕は今見たものをしどろもどろになりながらも、祖母に伝えた。
すると祖母が嬉しそうに笑った。
「それは山の神様じゃ。山の神様に会える人なんて、めったにいない。きっといいことがあるぞ」
祖母にそう言われると、僕は男が怖くなくなってきた。
それにいいことがあるだなんて。
なにがあるんだろう。
僕はわくわくしてきた。
その日僕は、めったに車が通らない祖母の家の前で、トラックにはねられて死にかけた。
終
家に着くと僕はいつものようにすぐに裏山に昆虫採集に行った。
虫取り網と虫かごを持って。
そして昆虫採集に夢中になっていると、不意に聞こえてきた。
「ほーう、ほーう」
――えっ?
それは頭の上から聞こえた。
見上げるとそこにいた。
藁でできた衣装を身にまとった、不自然なほどに大きな頭で大きなぎょろ目の中年男が宙に浮いていた。
そしてその大きな目で僕を見ているのだ。
「ほーう、ほーう」
その声は宙に浮いた男が発していた。
「うわっ!」
怖くなった僕は、虫取り網も虫かごも投げ捨てて、走って逃げた。
そして息も絶え絶えになりながら、祖母の家に駆けこんだ。
「どうしたんじゃ」
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「それは山の神様じゃ。山の神様に会える人なんて、めったにいない。きっといいことがあるぞ」
祖母にそう言われると、僕は男が怖くなくなってきた。
それにいいことがあるだなんて。
なにがあるんだろう。
僕はわくわくしてきた。
その日僕は、めったに車が通らない祖母の家の前で、トラックにはねられて死にかけた。
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