1 / 1
1
しおりを挟む
結婚してからも両親と同居していた。
その後、娘が生まれた。
絵に描いたような平均的で平穏な日々を過ごしていると思われたとき、事件は起こった。
母と生まれて間もない幼子を残し、家族全員が家を空けていた時に、母が殺された。
第一発見者は父だった。
家に帰ると赤子が泣いていて、母が血まみれで倒れていたと言う。
室内があらされて、現金と貴金属がなくなっていた。
警察は強盗の仕業と判断し、捜査が始まった。
私はお通夜にお葬式と忙しく、その間警察とも接触していたので、疲れきっていた。
母の死を悲しむ余裕すらなかった。
それから一ヶ月ほどして、ふと母の位牌の前で記念撮影をしようと言う話になった。
娘を含めて全員がおさまるようにして、デジカメで撮った。
そして写真を見ると、驚いたことにそこに死んだ母が写っていたのだ。
それを見た父がしみじみと言った。
「あいつは死んでもなお、家族を守っていてくれているんだなあ」
しかしよく見ると、写真の中の母は、私の妻を鬼の形相で睨みつけていた、
思わず妻のほうを見ると、妻は真っ青な顔で震えていた。
終
その後、娘が生まれた。
絵に描いたような平均的で平穏な日々を過ごしていると思われたとき、事件は起こった。
母と生まれて間もない幼子を残し、家族全員が家を空けていた時に、母が殺された。
第一発見者は父だった。
家に帰ると赤子が泣いていて、母が血まみれで倒れていたと言う。
室内があらされて、現金と貴金属がなくなっていた。
警察は強盗の仕業と判断し、捜査が始まった。
私はお通夜にお葬式と忙しく、その間警察とも接触していたので、疲れきっていた。
母の死を悲しむ余裕すらなかった。
それから一ヶ月ほどして、ふと母の位牌の前で記念撮影をしようと言う話になった。
娘を含めて全員がおさまるようにして、デジカメで撮った。
そして写真を見ると、驚いたことにそこに死んだ母が写っていたのだ。
それを見た父がしみじみと言った。
「あいつは死んでもなお、家族を守っていてくれているんだなあ」
しかしよく見ると、写真の中の母は、私の妻を鬼の形相で睨みつけていた、
思わず妻のほうを見ると、妻は真っ青な顔で震えていた。
終
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
今更家族だなんて言われても
広川朔二
ライト文芸
父は母に皿を投げつけ、母は俺を邪魔者扱いし、祖父母は見て見ぬふりをした。
家族に愛された記憶など一つもない。
高校卒業と同時に家を出て、ようやく手に入れた静かな生活。
しかしある日、母の訃報と共に現れたのは、かつて俺を捨てた“父”だった――。
金を無心され、拒絶し、それでも迫ってくる血縁という鎖。
だが俺は、もう縛られない。
「家族を捨てたのは、そっちだろ」
穏やかな怒りが胸に満ちる、爽快で静かな断絶の物語。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる