母の居る写真

ツヨシ

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結婚してからも両親と同居していた。

その後、娘が生まれた。

絵に描いたような平均的で平穏な日々を過ごしていると思われたとき、事件は起こった。

母と生まれて間もない幼子を残し、家族全員が家を空けていた時に、母が殺された。

第一発見者は父だった。

家に帰ると赤子が泣いていて、母が血まみれで倒れていたと言う。

室内があらされて、現金と貴金属がなくなっていた。

警察は強盗の仕業と判断し、捜査が始まった。

私はお通夜にお葬式と忙しく、その間警察とも接触していたので、疲れきっていた。

母の死を悲しむ余裕すらなかった。


それから一ヶ月ほどして、ふと母の位牌の前で記念撮影をしようと言う話になった。

娘を含めて全員がおさまるようにして、デジカメで撮った。

そして写真を見ると、驚いたことにそこに死んだ母が写っていたのだ。

それを見た父がしみじみと言った。

「あいつは死んでもなお、家族を守っていてくれているんだなあ」

しかしよく見ると、写真の中の母は、私の妻を鬼の形相で睨みつけていた、

思わず妻のほうを見ると、妻は真っ青な顔で震えていた。


     終
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