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カラオケに行った。
彼女と二人。
交互に歌う。
彼女がある曲を歌っていた時のことだ。
それは中堅歌手が歌った「宙の時」という歌だ。
子供を想う母親を歌った歌。
少しヒットした。
歌い始めた時、二十代手前の彼女には似合わない曲だと思ったものだが、途中からそんなことはどうでもよくなった。
それが突然現れた。
青白い子供。
小学一年生くらいだろうか。
顔だけではなく、服や腕、髪の色までが青白いのだ。
びっくりして固まったままその子供を見ていたが、彼女は自分のすぐそばにいる子供に気づくことなく、熱唱している。
見れば子供は彼女に寄り添うようにもたれかかり、両の腕で彼女を強くつかんでいた。
歌が終わった。
同時に子供がその姿を消した。
彼女が俺を見て言った。
「えっ、どうしたの?」
俺はなにも返すことができなかった。
しばらくして彼女と別れた。
そしてある日曜日、暇すぎた俺は例のカラオケボックスに行った。
一人で。
受付の女は最後に俺に小さく言った。
「歌わないとは思いますが「宙の時」と言う歌は、当店では歌わないでくださいね」と。
終
彼女と二人。
交互に歌う。
彼女がある曲を歌っていた時のことだ。
それは中堅歌手が歌った「宙の時」という歌だ。
子供を想う母親を歌った歌。
少しヒットした。
歌い始めた時、二十代手前の彼女には似合わない曲だと思ったものだが、途中からそんなことはどうでもよくなった。
それが突然現れた。
青白い子供。
小学一年生くらいだろうか。
顔だけではなく、服や腕、髪の色までが青白いのだ。
びっくりして固まったままその子供を見ていたが、彼女は自分のすぐそばにいる子供に気づくことなく、熱唱している。
見れば子供は彼女に寄り添うようにもたれかかり、両の腕で彼女を強くつかんでいた。
歌が終わった。
同時に子供がその姿を消した。
彼女が俺を見て言った。
「えっ、どうしたの?」
俺はなにも返すことができなかった。
しばらくして彼女と別れた。
そしてある日曜日、暇すぎた俺は例のカラオケボックスに行った。
一人で。
受付の女は最後に俺に小さく言った。
「歌わないとは思いますが「宙の時」と言う歌は、当店では歌わないでくださいね」と。
終
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