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友人と二人で山に登った。
冬に。
天気予想では快晴のはずだったのだが、山の天気はあてにはならない。
吹雪。
もうとんでもない吹雪に見舞われてしまった。
視界はないに等しい。
伸ばした自分の手の先が見えないほどだ。
白につつまれた闇だ。
――もうすぐ山小屋があるはずなのだが。
果たして無事に山小屋までたどり着くことができるのだろうか。
そんなことを考えていると、俺は突然ほほを撫でられた。俺のほほを撫でたもの。
それは間違いなく人間の手だった。
「おい、やめろよ」
驚いた俺は、思わず吹雪に負けないぐらいの大声でそう言った。
すると友人も大きな声で返してきた。
「なに、どうしたんだ」
その声は、俺が思っていたよりも全然離れた場所から聞こえてきた。
そして友人がそう言い終わった途端、おれは再びほほを撫でられた。
終
冬に。
天気予想では快晴のはずだったのだが、山の天気はあてにはならない。
吹雪。
もうとんでもない吹雪に見舞われてしまった。
視界はないに等しい。
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白につつまれた闇だ。
――もうすぐ山小屋があるはずなのだが。
果たして無事に山小屋までたどり着くことができるのだろうか。
そんなことを考えていると、俺は突然ほほを撫でられた。俺のほほを撫でたもの。
それは間違いなく人間の手だった。
「おい、やめろよ」
驚いた俺は、思わず吹雪に負けないぐらいの大声でそう言った。
すると友人も大きな声で返してきた。
「なに、どうしたんだ」
その声は、俺が思っていたよりも全然離れた場所から聞こえてきた。
そして友人がそう言い終わった途端、おれは再びほほを撫でられた。
終
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