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先輩に誘われた。
断れない。
よりによって心霊スポットに行くとは。
「雨の夜に出るんだ。あそこは」
週末が雨だったら行こうと言われていたのだが、俺の逆雨ごいは通じなかった。
夜。雨。廃病院。
そして長い黒髪の幽霊。
なんでそんなところにそんなものを見に行かなくてはならないんだ。
廃病院に行くまでの道のりが、怖い。
とてつもなく怖い。
怖がって震えているうちに、廃病院に着いた。
中に入る。
更に怖い。
道のりで、これ以上怖いものはないと思っていたのだが、存在していた。
先輩と夜の廃病院をまわる。心臓が飛び出しそうだ。
「いないなあ」
二度ほど病院を隅々まで見たが、長い黒髪の女どころか猫一匹出てこなかった。
「帰るか」
先輩が天使に見えた。
ここに連れてきた元凶だが。
帰りはさすがに怖くはない。
車まで歩く。
すると突然現れた。
先輩のすぐ後ろ、ほぼ重なるように長い髪の女が。
「わっ!」
先輩が反応する。
「どうした?」
先輩が振り返ると、女はそのまま先輩にくっついてでもいるかのように、そのまま先輩の後ろに回った。
そして俺は女と目が合った。行きと廃病院の中は怖かった。
帰りは怖くないと思っていたが、帰りが一番怖かった。
終
断れない。
よりによって心霊スポットに行くとは。
「雨の夜に出るんだ。あそこは」
週末が雨だったら行こうと言われていたのだが、俺の逆雨ごいは通じなかった。
夜。雨。廃病院。
そして長い黒髪の幽霊。
なんでそんなところにそんなものを見に行かなくてはならないんだ。
廃病院に行くまでの道のりが、怖い。
とてつもなく怖い。
怖がって震えているうちに、廃病院に着いた。
中に入る。
更に怖い。
道のりで、これ以上怖いものはないと思っていたのだが、存在していた。
先輩と夜の廃病院をまわる。心臓が飛び出しそうだ。
「いないなあ」
二度ほど病院を隅々まで見たが、長い黒髪の女どころか猫一匹出てこなかった。
「帰るか」
先輩が天使に見えた。
ここに連れてきた元凶だが。
帰りはさすがに怖くはない。
車まで歩く。
すると突然現れた。
先輩のすぐ後ろ、ほぼ重なるように長い髪の女が。
「わっ!」
先輩が反応する。
「どうした?」
先輩が振り返ると、女はそのまま先輩にくっついてでもいるかのように、そのまま先輩の後ろに回った。
そして俺は女と目が合った。行きと廃病院の中は怖かった。
帰りは怖くないと思っていたが、帰りが一番怖かった。
終
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