神楽咲く

ツヨシ

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神楽は日本刀でそれらを次々と受けた。

しかし一本を受けそこね、その斧が神楽の肩口辺りに当たった。

「うっ」

神楽の動きが一瞬止まった。

その隙を突いて、いくつもの斧が一斉に神楽に襲い掛かった。

ゴン

大きな音がして、蛇のように動いていた腕が、その動きを止めた。

見ればフレイルが少女の額に当たっている。

円羅が投げたのだ。

自分でも気づかぬうちに。

「ありがとう」

神楽はそう言うと、風のように化け物の横をすり抜けた。

そのまま全ての時が止まったかに見えたが、やがて怪物の小さな頭が地面に落ちた。

伸びた腕が見る見る縮み、身体がゆっくりと倒れた。

「やったか」

「やったわ。あなたのおかげね」

神楽が手をかざすと怪物は紫の炎に包まれ、そのうち消えた。

「こいつがこのあたりでは最強みたいだわ。あとは雑魚ばかり」
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