れいたいしゃ(浦島太郎異聞)

ツヨシ

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れいたいしゃ(浦島太郎異聞)

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啓一が故郷を離れたのは、その時が生まれて初めてのことだった。

元々祖父の代から林業に従事し、三代目である。

子供の頃は学校に通うために、成人してからは買い物などの理由で人口千人にも満たない寂れた町に行くことはあるが、住んでいるのは人里離れた山の中である。

都会どころか小さな地方都市すら知らずに育って成人したのだ。

だが今回、大都市で暮らすいとこの結婚式に招待され、父親と共に未知なる世界へとやってきた。

いとことは今までに数回会ったことがある。

正月などに一家で里帰りに来るからだ。

毎年ではなく、数年に一回程度ではあるが。



「ほうすごいなあ」

都市に着いてからの父親は、あたりの高いビルを首が痛くなるのもかまわずに見上げ、数え切れない人の群れを口をぽかんと開けたまま見ている。

どこから見ても完全なるおのぼりさんとなっていた。

啓一はそんな父を恥ずかしく思い、地面を見るばかりであった。

少し迷いながらもなんとか式場に着き、久しぶりにいとこに会ってお祝いの言葉を述べ、結婚式と披露宴に参加してこなすべき事をこなしたころには、夜になっていた。

「じゃあ、部屋に行くか」

今から帰路に着こうとしても、途中で便がなくなってしまうことは知っていた。

故にいとこが披露宴の行われたホテルに部屋を取ってくれていた。

部屋はごく普通のものであったが、啓一は初めて見るホテルの部屋に、やや興奮していた。

築百年以上になる啓一の家とは、まるで別世界である。

それは父親も同様で、そして啓一以上であった。

もうすぐ五十路をむかえるこの父親も、悲しい事に故郷を離れるのはこれが初めてであるからだ。

小さな町の学校には修学旅行もなく、経済的理由から新婚旅行もしなかったためである。

「おやじ、腹が減ったから飯でも食いに行くか」

披露宴のご馳走はすでに消化されている。

啓一のその問いかけに父親は

「いや」

と小さく答えただけだった。

とりあえず、今はこの夢の空間から外に出る気にはなれない様子だ。

「じゃあ、俺一人で行ってくるわ」

「気をつけてな」

父は先ほどと同じく小さな声でそう言った。



気をつけなければならないことは啓一にもわかっていた。

初めて来た大都会。

へたにうろうろすれば道に迷い、自分が今どこにいるのかわからなくなる恐れが十分にある。

それに都会には悪い奴が多いと聞いていた。

おまけに今は夜である。

故郷の夜と比べれば、電飾により数段明るいことは明るいが、それでも夜だ。

昼間よりも危険であることは間違いないだろう。

それならホテル内で食事をすませればいいものだが、啓一の頭の中ではホテルは寝るところであって、食事をするところではなかった。

つまりホテル内に食事をするところがあることも、部屋に食べ物を運んでもらえるサービスがあることも知らなかったのだ。

「あまり遠出はできないなあ」

ホテルを出てまわりを眺めながら啓一は一人つぶやいた。

どうやらこのあたりには服を売る店、本を売る店、雑貨を売る店などが集まっているようで、食べ物屋らしきものは見当たらない。

――少し歩くか。

啓一は歩き出した。

道に迷わぬよう、ホテルの正面から右に行った後、一度も曲がることなく真っ直ぐに歩いた。



しばらくそのまま進んだが、まだ食べ物屋は見つからない。

――こんなに店があるのになあ。

と考えながら狭い路地の前を横切ろうとした時、なにか赤いものが目の隅に入った。

足を止めて見てみると、路地の奥に赤ちょうちんらしきものが見える。

何だかの食料を提供してくれる店であると思えた。

啓一はその赤ちょうちんを目指して歩いた。

その時である。

そのちょうちんのさらに奥から何かが聞こえてきた。

女の声だ。

そして男の声も。

何だかのいざこざがあった様子の声である。

啓一は迷わずその声にむかって歩みを進めた。

「離してよ!」

「いいじゃないか。ちょっとくらい俺と付き合えよ」

たどり着くと、そんな会話が聞こえてきた。

いわゆる強引なナンパと言うやつか。

啓一がそのまま見ていると、やや顔をこちらに向けていた女が啓一に気がついた。

「助けて」

女が手をつかんでいた男の手を振り払うと、小走りでやってきて、啓一の背中に回った。

男は啓一を見てあからさまに驚きの表情を見せたが、やがて気を取り直したのか、言った。

「おい、あんちゃん。おまえは関係ねえだろうが。おとなしくすっこんでな!」

背は高いが枯れ木のように細い男だ。

肉体労働など、したことがないのだろう。

それに比べて啓一は、中学を卒業して以来ずっと林業ざんまいの生活だ。

へたな格闘家以上の筋肉を、その全身にまとっていた。

何も言わずに男に近づき、その胸に手を当て、全体重を乗せて突いた。

予想通り男は軽く吹っ飛び、しりから地面に落ちた。

「ひい!」

女子のような悲鳴を上げると、男はあわてて立ち上がり、振り向きもせずに走り去っていった。

「ありがとうございます」

女が声をかけてきた。

「助けてくださいまして。ぜひお礼がしたいのですが」

年齢は二十四、五といったところか。

啓一とあまりかわらない年齢だ。

大きな黒い瞳の、人形のように整った顔立ちをした女性である。

「お願いします。お礼をさせてください。ぜひわが家に遊びに来てください」

啓一が何も言わないでいると、女がそう言った。

お礼。家に来る。

若い女性が口にした場合、多くの男がそこから同じことを連想するだろう。

しかし啓一は筋金入りの田舎育ちだ。

何かお礼をしてくれるのだろうとは思ったが、それがなんなのかは全く脳裏浮かんでこなかった。

こなかったが、女があまりにも真剣な眼差しで言うので、断るのもかわいそうだと思い

「わかった」

と答えた。

女の家はここからすぐだと言う。

それなら道に迷わずに帰る事ができるだろう。

啓一の頭の中では、女の家に行く事よりも、お礼をもらった後でホテルに帰ることのほうが重要事項となっていた。

「ここです」

本当に近い。

目の前にアパートともマンションとも判別のつかない、中途半端ないでたちの建物が見える。

四階建てだ。

入ってすぐにエレベーターがあった。

二人で乗ると窮屈なくらいの狭い空間。

彼女の左腕が啓一の右腕にぴったりとくっついている。

啓一は完全に意識をしていたが、女はまるで気にしてはいないようだ。

啓一の全神経が女の左腕に集中している間に、エレベーターは動き出し、やがて止まった。

女が降りる。

階を確認すると四階だった。

女がいつ四階のボタンを押したのかも、わからなかった。

女に続いてエレベーターを降りると、目の前に狭い廊下が伸びていた。

外から建物を眺めた時に想像していたものよりは、はるかに長い廊下だった。

あの建物のどこにそんな空間があったのか。

そんなことを考えている間にも、女はどんどん進んでいく。

急ぎ女の後をついて歩き、気がついた。

廊下の両側は今のところ全て壁で、入り口や窓などといったものが、一つもない。

奇妙な光景だった。

そのうちに廊下の突き当たりに着いた。

左の壁にようやく一つの戸があった。

女が鍵を使ってその小さな戸を開ける。そして啓一の方をむいた。

「どうぞ先にお入りください」

言われるがまま入ると、そこはまさしく別世界であった。

まず広い。

啓一のよく行く町の五十人は入れる公民館よりも断然広かった。

――まさか?

どう考えても外観から見てこの広さはありえない。

それに部屋の中にあるもの。そして居る者。

故郷はおろか、テレビや映画でも見たことのない部屋だった。

入り口から反対側の壁が全てガラス張りになっている。

そしてそのガラスの先には、鯛や平目などの多くの魚たちがゆうゆうと泳いでいた。

まるで水族館だ。

薄暗い部屋の中には、光源がいったいどこにあるのかわからない赤や紫やピンクの光が、まるで生きているかのようにゆらゆらと飛び交っている。

中央に冗談のように巨大な丸テーブルがあり、その周りを黒い革張りのソファーが丸く囲んでいた。

百人は座れそうなソファーだ。

そしてそのソファーには、若くて美しい着飾った女性が、十人ほど座っていた。

――なんだここは?

テーブルの上には啓一が見たことが無いような料理がずらりと並べられ、中を赤や青などのカラフルな液体で満たされたグラスがいくつも置かれてあった。

――キャバクラ?

啓一はキャバクラには行ったことがなかった。

啓一の知っている町にも飲み屋は数軒あるが、それはキャバクラとはほど遠いものだからだ。

キャバクラはテレビで見たことがあるだけだ。

「おと、と申します」

ふいに助けた女が言った。

「どうぞお座りください」

啓一をなかば強引に座らせ、自分は寄り添うように啓一の右隣に座った。

そしてテーブルの上の料理を箸でつまんだ。

「はい、あーん」

と言い、料理を啓一の口の前に運んだ。

「……」

啓一が戸惑っていると、その料理を啓一のくちびるに軽く当てた。

覚えのない料理だが、もう食べるしかないだろう。

啓一はそれを口の中に運んだ。

「!」

うまい。なんてうまさだ。

なんなんだ、この料理は。

啓一が食べ切る前に、次の料理が啓一の口に運ばれてきた。

迷わず口に入れる。これまたべらぼうにうまい。

おとと反対側に座った女性が啓一にもたれかかりながらグラスを手に取り、啓一にすすめてきた。

中には紫色の液体が入っている。

ためしに飲んでみると、これがまた、うまい。

飲んだ印象からして、アルコールのたぐいのものには違いないが、啓一がこれまで飲んできたものとはまるで別物の印象を受けた。

ビールでも日本酒でも焼酎でもウイスキーでもない。

未知の飲み物だが、うまいことには変わりがない。

気がつけば啓一の前のテーブルとソファーの狭い隙間に一人の女が座り、啓一のふとももに手をおきながら別の料理をすすめてくる。

後ろからも別の女がソファー越に後ろから抱きついてきた。

おとも最初のころよりはより接近し、片足を啓一の足にからめてきた。

身体の前後左右を四人の女と密着させた状態で、入れ替わり立ち代り料理と飲み物が差し出されてくる。

――これは……

とにかくいい気分だ。

うまい料理とうまい酒。

そして四人の美女が身体をすり寄せてくる。

だが啓一は一瞬我に返った。

「ちょっと待ってくれ。俺はそんなにお金はもっていないぞ」

キャバクラから連想し、頭の中にいつしか「高額請求」という言葉が浮かんできたのだ。

都会の怪しい店ではよくある、とテレビで言っているのを見た覚えがある。

おとがころころと笑った。

「大丈夫ですよ。お礼と言ったじゃありませんか。お金なんて一円もいただきませんよ」

「……そうか、それなら」

遠慮なく甘えさせてもらおう。

腹が減っていた啓一は、次々と料理をその体内におさめた。

後ろの女は胸の膨らみを啓一の後頭部に押しつけてくる。

左の女は啓一の手を取り、それを自分の豊かな胸に押し当てた。

もうおかしくなりそうだ。

そんな中でも酔いがまわってきたのか、啓一は気が大きくなりつつも記憶が途切れはじめていた。

最後のほうは女達全員が全裸になり、もつれ合って騒いでいたような気もするが、果たしてそれは現実のできごとなのか……。

とにかく夢のような時間を過ごしていたのは確かだ。

酔いつぶれて眠りこみ、再び目をさますまでは。



唐突に目が覚めた。

窓から日の光がもれてくる。

そして気づけば、部屋の様相ががらりと変わっていた。

壁も床もコンクリートの打ちっぱなしで、そのコンクリートにはしみだの亀裂だのがいくつもあった。

廃墟と言って、なんら差しつかえのない部屋だ。

夕べは確かにあったはずのテーブルやソファーもない。

と言うより、あの巨大なテーブルとソファーは、この部屋ではどんなに頑張っても入りきらない。

水槽も魚も、そして女達も誰一人いなくなっていた。

何もない部屋だ。

いや、まるっきり何もないわけではなかった。

部屋の隅に一つの箱が置かれてあった。

――なんだろう?

箱に近づくために、さして大きくない窓の前を横切る。

すると、その窓の前を何かが通り過ぎた。

――なんだあ?

窓を覗きこんで驚いた。

外に広がる景色は、全く見たことのない世界。

巨大なビル。

スカイツリーよりも高いのではないかと思えるビルが乱立していた。

近くにあるビルは、高すぎてその頂上を見ることができない。

そのビルとビルの間を、高速で飛び交うものがいくつもある。

スペースシャトルとホバークラフトを合体させたようなデザインの自動車くらいの大きさのもの。

どう見ても乗り物である。

それが左右だけではなく、上下にも移動しながら幾台も宙を走り抜けてゆく。

それらの乗り物が行き交わない空間には、露出の多い衣装を身に着けた若い女性が、地から浮いた状態で踊っていた。

その身長は、50メートルはあろうか。

啓一は最初激しく驚いたが、よく見ると一種のホノグラフのようだ。

しかし一瞥しただけでは、本物の巨人にしか見えなかった。

その奥ではとてつもない大きさのパンダが、二匹で飛び跳ねている。

――なんなんだここは?

啓一には理解できなかった。

必死に考えてたどり着いた結論が、あの箱だった。

――何かわかるかもしれない。

箱に近づき見てみると、箱の上に幾重にも折りたたまれた紙が置いてあった。

広げて読んでみると、以下のような内容であった。

――お目覚めになりましたか。

夕べは存分に羽目をはずしたようですね。

しかしあなたは、あまりにも羽目をはずしすぎました。

この部屋は現世と時の流れが違うので、あなたを楽しませるだけ楽しましたら、早急にお帰りいただくつもりでした。

しかしあなたはひどく酔っ払い、私の指示に従わず、いつまでも帰ろうとはしませんでした。

あまつさえ酔ったあなたは私におおい被さり、狼藉はたらこうとしたのです。

最初に私の妹が止めに入ったのですが、あなたは妹を思いっきり突き飛ばしました。

その後みんなであなたを押さえつけて、私を解放したのです。

私が床に倒れている妹のところに行くと、打ち所が悪かったのか、かわいそうに妹はすでに息をしていませんでした。

私は仲間に頼んで妹の亡骸を運び出した後、決めました。

あなたをこのまま起こさないことに。

あなたが目覚めたときには、おそらく現世では何百年もの時が過ぎていることでしょう。

あなたの家族や友人は、もうこの世にはいません。

それが私の妹の命を奪ったあなたの報いなのです。

その箱は私からのプレゼントです。

決して開けるな、とは言いません。

必ず開けなさい、とも言いません。

それはあなたが決めることです。

そこだけ、あなたの自由意志を残してあげました。

それではさようなら。

二度と会うことはないでしょう。

おとより。

啓一は動けなかった。

何度も手紙を目で追い、何度も自分の犯した罪を悔い、そして現状を嘆いた。

オヤジは、とうの昔に死んでいることだろう。

何百年も経っているのならば。

もちろん、妻も生まれたばかりの子供も。

ふと箱に目がいく。

高級そうな漆塗りの木箱だ。

啓一は自暴自棄になっていた。

それでも一瞬迷ったが、次の瞬間には何のためらいもなくその箱を開けていた。

中から白い煙がたちこめてきて、生きているかのように啓一の顔のあたりにまとわりついたと思ったら、すうっと消えた。

――なんだ、あの煙は?

考えていると、突然両目の下に痛みが走った。

――!?

わけもなく部屋を見渡すと、壁に小さな鏡があることに気づき、急いで鏡を覗き込んだ。

両目の下に、濃い赤の線がくっきりと浮かんでいた。

そして啓一は、尋常ではない喉の渇きを覚えた。

部屋を見渡しても、水道やその他の類のものは見当たらない。

啓一は乾きに耐え切れずに部屋を出た。

戸を開けると目の前に階段があり、そこを下った。

すぐに一階に着くと思ったが、いくら降りても一階には着かなかった。

地下まで行ったわけではない。

階段の踊り場にある小さな窓から、外の光が漏れてくる。

啓一はそのまま降り続けた。

そしていったい何階分降りたのか検討がつかなくなったころ、ようやく一階にたどり着いた。

外へ通ずると思われる扉が見える。

扉に近づき押してみると、それは開いた。

外にでると、何人かの人が歩いていた。

そのうちの一人が啓一の存在に気づき、最初ぼんやりと、途中からは目を見開いて啓一を見た。

そして言った。

「れいたいしゃだ!」

――れいたいしゃ?

すると、それを聞き啓一を見た人々が、慌ててその場から逃げ出した。

――なんなんだ、いったい?

戸惑う啓一の前に、なにか丸いものがいきなり現れた。

宙に浮いたソフトボールくらいの大きさのもの。

もともと赤いそれは、中からさらに赤い光を出してきた。

ぐるぐる回る赤い光。中でなにかが回転しているように見えた。

――どこかで見たことがあるような……

そう、パトカーのパトライトに似ているのだ。

気づけばいくつもの赤いボールに、周りをとり囲まれていた。

それを見ていると、空からけたたましい音を響かせながら、何かが降りてきた。

スペースシャトルと箱バンを合体させたようなもの。

それが地面すれすれのところで停止すると左右のドアが開き、二人の男が降りてきた。

啓一もけっして小さくはないが、その二人は比べものにならないほどの高さと幅があった。

太っているのではなく、全身を筋肉がおおっているのだ。

二人は啓一に近づくと、一人が啓一の右腕を、一人が左腕を抱え込んだ。

一応抵抗を試みたが、二人の力が強すぎて、腕を振りほどくこともその場に踏んばることもできず、そのままずるずると引きずられていった。

そして車の後ろに着くと、後部ドアが音もたてずに開いた。

中には二人の男がいた。

啓一が男を見ていると、後方から強い力で押され、啓一の身体は車の中に押し込まれた。

素早くドアが閉められ、車が動き出した。

車の中の二人。一人は若い男、もう一人は初老の男。

二人とも目の下に、くっきりと赤い線があった。

二人とも興味があるのかないのか判断しがたい眼差しで、啓一を見ていた。

啓一は二人を見比べていたが、やがていくぶん話しかけやすそうな初老の男に聞いた。

「あのう、この車はどこに行くのですか?」

初老の男は独り言のように答えた。

「地獄さ」

そして目を閉じ、動かなくなった。

啓一は、若い男に聞いてみた。

「れいたいしゃって、いったい何ですか?」

若い男は瞬間驚きの色を見せたが、やがて言った。

「知らないんなら、知らないほうがいいかもね」

そう言うと、初老の男と同じく、目を閉じた。



     了
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