最終防御壁

ツヨシ

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私にはそれは、風邪薬に見えた。

まあ、錠剤なんてどれも似たようなものではあるが。

「それを飲んでベッドに横になってください」

男はそう言うと、そのまま出て行った。

私は言われたとおりにした。

目的を達成したのだ。

私はまもなく死ぬだろう。

数年前、周辺の国で戦争が勃発した。

加えて後から参戦した国もいくつかあり、直接戦争をしたわけではない我が国が、それにより大きなダメージを受けた。

貿易、経済、食料事情が混乱を極め、国民の多くが今日の食事にも不自由するようになった。

その結果として、犯罪と自殺者の数が爆発的に増えたのだ。

あちこちで毎日たくさんの人が死ぬ。

その死体の処理に追われるようになった国は、一つの政策を打ち出した。

つまり死にたい人は、国の許可なく勝手にその辺で死ぬのではなく、国が指定した場所で死になさい、と。

そうすれば、死体の処理やその他もろもろのことが、人手もかからずスムーズになるという理由で。
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