1 / 1
再開の日
しおりを挟む
待っていると彼女がやって来た。
軽く小走りで。彼女は私の目の前で足を止めた。
そのまま二人見つめ合う。
やがてゆっくりと抱き合った。
優しく、それでいて強く。
私は彼女の髪を愛でた。
しばらくそうしていたが、私は少し体を離し、うっすらと紅に染まった彼女の頬を撫でた。
そして口づけ。
ずいぶんと長い間、唇を重ねていたように思う。
が、それも終わるときがきた。
私から離れた唇が言った。
「もう、行かないと」
「そうだな」
彼女はここに長くはいられない。
私はよくわからないが、そういうことになっているのだ。
彼女は名残惜しそうに私の手を握り「また一年後ね」と言った。
そして彼女は振り返り、走り出した。
私は彼女の背中を見ていたが、やがて見えなくなった、
――一年後か……。
彼女の言うとおり、私たちは一年に一度しか会うことが出来ない。
十月十四日。
それは彼女が死んだ日だ。
終
軽く小走りで。彼女は私の目の前で足を止めた。
そのまま二人見つめ合う。
やがてゆっくりと抱き合った。
優しく、それでいて強く。
私は彼女の髪を愛でた。
しばらくそうしていたが、私は少し体を離し、うっすらと紅に染まった彼女の頬を撫でた。
そして口づけ。
ずいぶんと長い間、唇を重ねていたように思う。
が、それも終わるときがきた。
私から離れた唇が言った。
「もう、行かないと」
「そうだな」
彼女はここに長くはいられない。
私はよくわからないが、そういうことになっているのだ。
彼女は名残惜しそうに私の手を握り「また一年後ね」と言った。
そして彼女は振り返り、走り出した。
私は彼女の背中を見ていたが、やがて見えなくなった、
――一年後か……。
彼女の言うとおり、私たちは一年に一度しか会うことが出来ない。
十月十四日。
それは彼女が死んだ日だ。
終
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる