ピアノの家

ツヨシ

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父が警察に連絡し、湖の底がさらわれ、妹の遺体がめでたく発見された。

警察の現場検証、検死、お通夜に葬式と、しばらくは慌ただしかった。

その間母はずっと泣き通しで、父はずっと無言だった。

すべてが終わって妹の遺骨を持って、ようやく我が家に帰った。

家に帰ると私は真っ先にグランドピアノのある部屋に向かった。

どうしてそんなところに行ったのか自分でもよくわからなかったが、とにかく行かなければならないような気がしたのだ。

母がついて来るかと思ったが、ついてはこなかった。

一人でグランドピアノを眺めた。

もう妹が弾くことのないそのピアノを。

その時、なにかが聞こえてきたような気がした。


「ごはんよ」

母の声で目が覚めた。食卓に行くと、いつもの朝食があった。

母は見るからに気落ちしていたが、それでも家族の食事の用意を忘れなかった。

そんな母を、私は心の底から愛おしいと思った。

私は母に声をかけた。

「ねえ」

「なに?」

「ちょっと来て」

「どこへ?」

「いいから」

私は母の手をとると歩き出した。

そしてそのままグランドピアノがある部屋まで連れて行った。

「こ、ここは……」

母の顔に明らかな動揺の色が見える。

「いいから、そこで見ててね」

私はピアノの前に座ると、弾き始めた。

「ま、まさか……」

私が奏でるその旋律は、まるで妹が弾いているかのようだった。


        終
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