雑多小噺

kuro-yo

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触れた物が黄金になる手

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「博士。」

「なんだね助手。」

「古代の遺跡から巨大な黄金の塊が発見されたそうですね。」

「そうだ。何を隠そう、実は私もその発掘調査に参加した。」

「いつの間に。」

「いつの間にかな。」

「…。」

「…。」

「それで何か分かりましたか。」

「内部に人型の空洞がある事が、様々な測定によって明らかになった。」

「…人型ですか。」

「…人型だ。まるで、ポンペイ遺跡のようにな。」

「…それはつまりどういう事でしょう。」

「…それがつまりどういう事か調べるために、こっそり割ってみた。」

「…どうやったらこっそりできるのかわかりませんが、それでどうなりましたか。」

「うむ。」

「…。」

「…。」

「…。」

「…。」

「…それでどうな」

「中に黄金の木が生えていた。」

「りましたか。…黄金の、木、ですか。」

「うむ。ちょっと見は黄金の木だったな。」

「…それはいった」

「正確には、形は人間の肺にある気管支そのものだな。」

「いどういう…気管支ですか、人間の。」

「うむ。」

「…。」

「ところで助手はマイダス王の伝説というのを知っているか。」

「確か、触れた物が黄金になる手を神に授けられて、食べ物も黄金になってしまって後悔した話ですよね。」

「まあ要するにそういう話だが、助手、よく考えてみれば、手に触れる物は何も目に見えるものだけではないだろう。」

「はい。例えば空気ですか。」

「うむ。空気はそこら中に満ちておるからな。もちろん、肺の中にも…。」

「…。」

「…。」

「…。」

「…。」

「…いやいや待って下さい。もし本当にあの金塊がマイダス王の手による物なら、地球上の大気は全て黄金に変わっていなきゃおかしいですよね。」

「そうだな。」

「…じゃあどうしてそうはならなかったんでしょう。」

「…。」

「…。」

「…。」

「…どうしてそうはな」

「大気が全て黄金になる前にマイダス王が先に窒息死して呪いが解けたからではないか。」

「らなかった…ならなくて運が良かったですね。」


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