地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

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第十章

10-8 愛するヒト達

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 灰も残っていません…。…ハイ。
あ、ハイと灰をかけた駄洒落じゃないです…。

 ベッドで全員生まれたままの姿です…。
とても綺麗です…、そして幸せです。

 ディートリヒにキスをし2人でもう一度お風呂に入って身体を洗い流す。

 今日はザックさんが帰るって言ってたよな。
まぁ、あれだけ凄いアイテムをゲットしたんだから早速使ってみたいというのが本音だろうね。
俺であってもそうしたい…。泡風呂、ヌルヌル風呂…、遊郭での目玉になるだろうね。
うん!いい事だ!

 朝食の準備をディートリヒと2人でする。
ディートリヒと朝食を作るのが日課になっているようだが、それでいいのかな…。今度聞いてみよう。

 今朝はパンケーキにしてみた。
蜂蜜と果物をたっぷりと乗せる。あ、今度ホイップクリームを作ってみよう。
飲み物は紅茶とコーヒー。
コカの実を煎って粉にする道具…、何て言ったっけ?
いかんいかん、齢をとると物忘れが激しくなってしまう。

 うん。コーヒーの良い香りがする。
良い香りだ。いかにも朝だ!って感じだ。

「ニノマエ様、おはようございます。」
「兄貴、おはようございます。お、“こしー”ですね。」
「うん。好きなら豆をあげようか?」
「え、よろしいんですか?
是非分けていただけると嬉しいです。」

 1kgくらいを渡すことにした。
 ザックさんと今後の事を話しながら、試作品ができたら持ってきてもらうこととなった。
まだミシンの扱い方を教えていなかったので、ブランさんに見てもらいミシンの操作方法を学んでもらった。
うん。さすが優秀なヒトだ。一回教えただけですんなりと動かせるようになった。
ザックさんは機械そのものに興味があるらしく、いろんな角度からミシンを見ているが、なかなか理解はできないだろう。第一、上糸と下糸が組み合わさる部分なんか、見ても分からないよ…、俺もね。

 そんな事をしていると出発の時間となったので、馬車をひく御者をザックさんの運送会社から呼んでくる間に昨日作ってもらったステンレスの棒をブラジャーの脇部分に入れるとより形が綺麗になる事を伝え、ステンレスを渡しておく。
御者が馬を持ってきて出発した。

御者さんは、シルバーとロシナンテではなく、茶と黒と呼んでいたけど、やっぱり馬に名前は付けるんだな…。

街中まで俺が乗り、途中で“お好み焼き”をしこたま買った後、ザックさんの運送会社の支店の場所を教えてもらえた。
今後はここに素材を納入すれば良いとの事だった。

「兄貴、では試作品が出来たらお持ちします。」
「うん。待ってるよ。でも余り急がないでね。社員のヒトに使ってもらい、改良に改良を加えた方が絶対良いモノができると思うからね。」
「分かりました。たくさん使ってもらうようにします。」
「ブランさん、また遊びに行きますね。ミシンの使い方についてみんなに指導をお願いしますね。」
「ありがとうございます。次回の遊郭は凄い事になっていると思いますので、楽しみにしていてくださいね。それと皆さまによろしくとお伝えくださいませ。」

「分かったよ。では道中気を付けてね。」

 馬車はカタコトと音を立てて街を出て行った。

「ディートリヒ、お疲れさんでした。」
「いえ、カズ様のヒトを魅了する力を垣間見ることができ、感動しております。」
「いや、何もしていないけど…。」
「その謙虚さが素晴らしいのですよ。さぁ、今日は隣の店が完了するので、そこに家具を入れないといけませんね。」
「そうだね。9部屋だったよね。
 それじゃ、全部の部屋にベッドとクローゼット、机を置いて、後はリビングだね。」
「リビングもそうですが、トイレはどうなさいますか?」
「うん…。それを考えているんだけど、雇用者となるヒトには俺の秘密を守らせた方がいいのかな?」
「カズ様の情報を出す方が利益があるのか、それとも日常生活が便利になる方が、利益があるのかを選択すれば明白なことだと思います。」
「それじゃ、念のため契約魔法かなんかで守秘義務を作るって事がいいのかな。」
「そうですね。そうであればトイレもお風呂も秘密が守られますね。
 ただ、そうしますと、ミリーとニコル、アイナもバラバラな棟で寝る事となりますが…。」
「うん。仕方ないよね。って、彼女たちはまだまだだよ。」
「そう言いながら、カズ様はすぐに愛し合いますわ。
あ、いけない。そうすると早めにメリアドール様にご相談しないといけませんね。」
「何を相談するの?」
「夜の順番です。皆待っておりますので。」
「いや、昨晩みんなで大運動会だったよね。」
「はい。あれはあれで嬉しいんですよ。」
「そうなの?お互いの身体とか恥ずかしい姿見られるのとかは嫌じゃないの。」
「イヤではありません。皆の姿を見てると勉強にもなります。
もっと私も淫らになろうとか、良い表情にしようとか…。」
「うん…。俺は一人だから分かんないけど…。」
「あ、あと、誰がカズ様を満足させるかの合図と言いますか、暗黙の了解と言いますか。その駆け引きというのも興味がありますし、カズ様が満足なさった後の愛し方も人それぞれで興味があります。
日々学ぶことが多いです。」
「そうなのか…。でも、俺は一人を愛してる時も十分満足しているんだけどね。」
「カズ様は、愛し方が上手なのだと思います。すべての女性が満足されるようご配慮されております。
その気配りと心遣いを感じることができることも愛されていると感じているのですよ。」

なんか良く分からない。
けど、皆が満足してくれるならそれで良い。それに一人を愛していくこともしていきたい…。
ただ、52歳という齢がどうなのか…、という点もあるんだよね…。
神様が若い身体になることも可能だと言ってたけど、そうなった時、みんなはどう思うんだろうな…。

ま、ケ・セラ・セラだ。

 家具屋に来て、ベッド、クローゼット、そして机を9つ購入。
店員さんは、俺のこと覚えていたことと、ジョスさんに言われて、そろそろ家具の大量購入があるから品揃えをしていくようにと言われてたようだ。
 リビングとキッチンについては、後で買いに来ることを告げ、店に戻る。

 店に来て、唖然としてしまった…。
ディートリヒは、うんうんと頷いている。

 何故、隣の店と俺たちが今住んでいる店の2階部分が通路で繋がるような工事をしているんだ?
それも骨組みは既に終わって、壁と屋根を付けている…。
 今朝は無かったと思ったんだが…。
ジョスさんが2階の通路?廊下?渡り?に居たので、声をかけた。

「ジョスさん、この通路は?」
「あぁ、これか?これはな、ステーキパーティーの時に、そこに居るディートリヒお嬢さんとニコルさんが俺に依頼したんだよ。
 隣と連絡ができるようにと懇願されてな。それじゃって事でつけたんだよ。」
「はは、すごいですね。」
「だろ?まぁ、荷重は今の店の鉄骨で持てるようにしてあるが、万が一って事もあるから、昨日、こっちの店の通路部分にも鉄骨入れといたから大丈夫だ。安心しな。」

 恐る恐るディートリヒの方を見る。

「カズ様、そう言う事です。
 ですので、トイレもお風呂も大丈夫です。全員に契約紋を付ければ問題はありません。」
「みんな、納得してくれるのかね?」
「下着に石鹸にしゃんぷりん、さらに毎日美味しいカズ様の手料理をいただける。
 こんな素晴らしい生活を誰が嫌がるとお思いですか?」
「そういうモノでしょうか…。」
「はい。諦めてください。」
「でも、雇ったヒトは愛せませんよ。」
「それで構いません。メリアドール様もご納得されておられますので。」
「へ?」
「昨日、メリアドール様から私宛に手紙が届きました。」
「そうなの?で、内容は?」
「詳しくは申し上げられませんが、私たちを“妾(めかけ)”と呼ぶのは反対であるようですね。」
「ふむ。では、妻となるという事かな?」
「いえ、それは個人の判断に任せるとの事です。ですが、“妾”ではなく、カズ様がお使いになられている“伴侶”という地位を確立すべしとの事でした。」

 伴侶=英語でパートナー、恋人だとラバー、これだとゴムか…。
なんかいい言葉なかったかな?
アモーレ?アロハ?

「なぁ、ディートリヒ、伴侶という地位を確立するのであれば、もう少しカッコいい言葉にしたらどうかな。
 そうだな…。“アモーレ”とか“アロハ”ってのはどう?」
「何ですか?その“あれれー”と“いろはー”というのは?」
「はい…。すみません。伴侶で良いです…。」

 やはり、俺がディートリヒにカタカナを伝える事は難しいと分かった…。
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