地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

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第十二章

12-5 ノーオの街にて ②

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 次に来たのは土建班…。
もっさい男連中、ガンつけてくると思いきや、俺の顔というかザックさんの顔を見た瞬間、両横に一列に並ぶ。

「社長、お勤めお疲れ様です。」
「おう!皆、今日は良い話を持ってきた。
 こちらはニノマエ様、俺の兄貴だ。
 知っているヒトも居るとは思うが、あのベリルさんの旦那だ。」

“あのベリル”って、何だ?
あ…特訓だったよな…。

「兄貴からの仕事だ。
 ここから半日北に行ったところで道の整備などをやってもらう。
 それと上下水の工事もだ。
 今回は日銭じゃねえぞ。ちゃんとした給金だ。どうだ!おめえらやるか?」

 皆静かになっている。

「ニノマエさんとやら、俺たちゃ強いと思ったヒトには従うが、弱い奴には従わない。
 ベリルの姉御の旦那だろうと、ニノマエさんが強くなければ、俺たちは従わない。」
「自分は弱いですよ。」
「おい、自ら弱いって言いよったぞ。ほんとにベリルの姉御の旦那なのか?」
「あ、みなさん間違えていらっしゃると思いますが、近接は弱いという事だけです。
 遠距離なら、あなた達は屁でもありませんが。」
「おうおう、良く言ってくれたもんだな。
 じゃ、いっちょやろうぜ!」

 完全になめられたもんだね。ヒトの強さも分からないんだ…。
ま、三下相手なら魔銃で十分か…。

「別に良いですが…。あんた達、ヒトの強さも測れないんですか?
じゃ、自分が勝ったら、あんた達の給金は一切払わないけど、それでいいかい?」
「おう!問題ないぜ。」

 裏の空き地に行く。

「んで、誰から?それとも全員?」
「おー。大きくでたねぇ~、おっさん…、社長の兄貴かなんかは知らんが、謝るんだったら今のうちだぜ。」
「四の五の言わずに、はよ全員で来い。時間が勿体ないんだよ。」

あ、完全ブチ切れモードになったね。
ま、魔銃20%で一発ぶちかましますか。

「ルーシアさん、皆さんの周りに結界を張っておいてくださいね。
 大きいの行きますから!」
「え、カズ様、それは危険では?」
「大丈夫だよ。地面に向けて撃つから。じゃ、ザックさん、合図よろしくね。」
「お、おぅ。じゃ、開始!」

はい、ものの一秒で、三下10人を吹っ飛ばして終了です。

誰かが走って来る。こいつも撃っとくか?

「ニノマエ様、お待ちください!って、あ…終わってるか…。」
「あ、ゼフさん。お久しぶりですね。」
「はい、お久しぶりで、ではなく、こいつらニノマエ様の力を知らずに喧嘩売ったんですか?」
「そう言う事。でも負けたらタダで働いてくれるって言ったんで、相手をしてあげました。」
「すみませんでした。俺たちの教育ができてなくて…。
 おい!てめら起きろ!」
「あ、良いよ。皆を起こすならこれが一番だから。」

吹っ飛んだ奴らの頭上に水を作り出し、落としてやった。





「兄貴、すいやせんでしたっ!」

全員ずぶ濡れ状態のまま土下座して謝ってる。
ゼフさんも何故、土下座しているんです?

「ニノマエ様、こいつらが大変失礼なことをしました…。かくなる上は、指詰める覚悟でおります。」
「いや、そういうの要らないよ。ま、タダで仕事をしてもらえるから、こっちは嬉しいんだけど。」

 全員が青ざめる…。

「クローヌの街の街路の整備と、上下水道の整備、その他諸々を請け負ってもらうけど、大体2,3か月かかるかな?それがタダで請け負ってくれるんだからね。」
「兄さん…、すみませんでした…。俺たちがいきがってました…。」
「あのね、先ず人を外観だけで判断しちゃいけないよ。
 確かに自分は、近接は紙だよ。豆腐だよ。
でも魔導師っていうのか、魔法職だからね。遠距離は果てしなく強いと思っているよ。」
「おい、おめーら、よく聞け。
 先だってシェルフールで起きたスタンピードの魔物をほとんど一人で片づけた“Late Bloomer”って二つ名の冒険者の話を聞いたことがあるだろ。ここにおられるニノマエ様こそ、その“Late Bloomer”本人なんだよ。そんなお方におめえらが束になっても敵うはずもねぇ。
 これに懲りて、2,3か月はタダ働きだ。」
「あ、宿舎とメシは準備しますよ。ただし、あんたたちに給金は払わない。あんたたちがやってくれた仕事に対する給金は奥さんに渡しとくからね。」
「え、それは勘弁し…。」
「ヒトを外見だけで判断する奴がごちゃごちゃ言ってるんじゃねぇよ。
 だから、いつまで経っても三下って言われるんだ。
 もっと、自分を高めてみろよ。仕事をしながら特訓してやるよ、クローヌへ来い。」

 ちょっとすごんで言ったら、みなガクブル状態になっちゃった。

「ニノマエ様、僭越ながら、このゼフも参加させていただければ、と思います。
 社長、よろしいでしょうか。」
「おう。一度おめぇら兄貴の凄さを身に染みて来い。
 そして3か月後、おめぇらの強くなった姿を見せてくれや。」
「あ、近接が主となりますので、ベリルとディートリヒにも参加してもらいましょう。」
「ベリルの姉御が指導してくださるんですか?」
「すまんが、ベリルも強いが、ディートリヒはもっと強いぞ。誰か相手してみるか?」

全員が土下座のまま、アメリザリガニのように5mほど後ずさった。

「兄貴、すまなかった。」
「いいよ。いきまいている奴こそ弱いからね。3か月後には少しは相手の事が分かる程度にまで鍛えてあげられるといいね。
 えと、給金は一人当たりひと月大銀貨50枚でいいかい?」
「え、そんなにもらえるんですか?それに宿舎もメシも出るんですよ。」
「何人居たんだっけ?」
「30人行かせます。」
「問題ないけど。ふふふ、最後まで何人残るかな…。」

次に遊郭のショーランクの店に行く。
一番高い店で、ブランさんたってのお願いだ。

「ニノマエ様からのご助言で、一品料理をこのように出しております。」
「もう試行しているんですね。
 お客さんの感想はどうですか?」
「美味しい料理とお酒が好評で、予約が1か月先まで入っております。」
「うん。それは良いことだね。
 で、料理は変えているの?」
「いえ、今は同じものです。」
「できれば一週間か一か月ごとに料理の内容を変えると良いよ。例えば旬の食べ物とか、特別に採れたモノとか、あとはお酒もランクを付けるといいかもね。」
「お酒は、そんなに種類がありませんね。」
「そう言えば、一昨日雇った子の家族が酒蔵だったよね。たしかエールを作っているとか…。
そのお店に聞いてみようか。」
「ありがとうございます。できれば他の酒もあると嬉しいんですが…。」
「ブランさんがそう言うと思って、持ってきましたよ。」

ブランデー、コニャック、ワイン、ウィスキー、日本酒。
どれだけ買ったのか覚えてないくらい買ったからな…。
アルコール度の高い酒はドワさん専用だから、他の酒はお土産用と遊郭用だ。

「ありがとうございます。
 こんなにいただいてもよろしいのですか?」
「これだけあれば、数か月は持つかな?あ、あと、料理人のヒトにこれを渡しておいて。」

火山のダンジョンで獲ったフレイムバジリスクとワイバーンの肉を渡しておく。

「これは?」
「フレイムバジリスクとワイバーンの肉ですよ。駆け足でダンジョン回ったからそんなに量がなくてね。
 家で出すには足りないんだよね。」
「兄貴…、足りないって、これって20㎏以上はありますぜ。」
「うち、今従業員さんと一緒に暮らしてて、何人いるんだっけ?」
「カズ様、現在通いのヒト、4号店のマットさんたちも入れると37人です。」
「え、そんなに居るんだ…。」
「兄貴…、いつの間にそんなハーレム状態に…。」
「違う違う!妻は2人、伴侶が7人。後は従業員だよ。」
「それでも凄いと思うが…。」

最後に、新店舗を見せてもらう。

うん。白を基調にした明るい室内と落ち着いたスペースだ。
その隣のスペースは豪奢な部屋になっている。

「この部屋は何に使うの?」
「この部屋は貴族などの特別なヒト用ですね。」
「あ、出来れば入り口を別々にすると良いと思うよ。高貴な人が皆と一緒に入って来ると嫌がるかもしれないから。それか、その時間は店を閉めるという方法もあるね。」
「ありがとうございます。では、こちらの壁を抜いてドアを付けますね。
 あなた、若い衆を2,3人回してください。」
「いいけど、みんなクローヌに行く準備してるぞ。」
「2,3人は残しておきなさい。何もできなくなるでしょ!」
「は、はい!そうします。」
「あと、この先、石鹸やしゃんぷりん、服、化粧品やアクセも販売していく予定ですので…。」
「はい。既に隣の店舗を買い取り、改装中ですわ。」
「さすがです。」

ノーオは奥様ズとブランさんのおかげで安泰だ。

途中までフロートの練習だと称して、ルーシアさんとアリウムさん、ブランさん、そしてブランさんに捕まっているザックさんと連隊飛行を楽しんだ。
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