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しおりを挟むそれはとても唐突な出来事だった。
「おはよう。」
朝7時に起きると、いつも通り、朝食としてご飯と味噌汁と魚が作って置かれている。
それを食べたら、制服に着替えて学校へ行く。
「有清~おはよう!」
教室に入ると、友人の琴美と知香の所へ話に行く。いつも通り。
9時になると朝礼が始まって、すぐに授業が開始する。
3限目の体育はテニスだった。
正直言って、私は運動神経がかなり良い。テニスなんて余裕だった。
5限目に英語のテストが返却されて、いつも通りクラスで一位だった。
最後、六限まで終わると先生に呼び出されて委員をしないかと誘われた。
毎年誘われるから断る理由もないので、承諾しておいた。
帰り道は、男の子や女の子が私を囲って、まるで守られるかのように帰宅する。
顔もなかなか良い方だと思う。
小顔でまぶたは二重、瞳は茶色がかってる。髪の毛は艶のある黒髪でセミロング。身長は普通だけど、スタイル抜群。
ようするに、私は学校の人気者、高嶺の花なわけで…
昼休みは王子と名高い男子テニス部の部長に告白されたが、丁重にお断りしておいた。
と、まぁこんな具合に、私は理想の学校生活を作り上げてきた。
高校三年生にもなるとなんだかつまらなくもなってきたが、困ることもないので変化は起こさない。
変化なんて、ありえないと思っていた。
ただ、あの出来事は突然、一本の電話から始まった。
「一之瀬 有清さん、あなたのご両親は、先程事故で亡くなられました。」
え?
一体どういうこと?
私はその時家にいた。
家の電話をとって、その場に立ち尽くしていた。
「いたずら電話は、やめてもらえますか。」
悪戯なんかじゃないって分かってた。
でも、信じたくなくて、少しでも希望が欲しくて…
「残念ながら……」
その瞬間、私の世界は180°回転した。
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