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第1章 トンネルの向こうには…
モノローグ
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まさか、こんなことになるとは、思ってもいなかった。
今でもなんで…自分がここにいるのか、よくわからない…
運命のあの人は、本当にこの人だったのか、
やっぱり今も、わからないのだけれども。
それでも少しずつ、今の私のことを、好きになっている。
毎日がミラクルで、毎日が幸せ。
驚きの連続だけれど…
こんなに自由でいても、いいのかしら、と逆に思うくらいだ。
もしも、運命のいたずらであるのならば…
どうか、お願い!
このままでいさせて…と、今はそう思う。
あの人は、ここにはいない。
あの人のことは、もう…顔も声も、ほとんど覚えてはいない。
それでも、いいの!
今の世界が、私のいるべき場所ならば…
だって、私には私だけの素敵な王子様、がいるのだから…
第1章 トンネルの向こうには…
鬱蒼とした森の中に、光のトンネルが浮かび上がっている。
今にも消えそうなくらい、白くて透明な光りだ。
今まさに、どこかで鐘の音が聞こえてくる。
耳を澄ませていると…こっちの方と、トンネルの向こうからも、
まるでシンクロするように、響いている。
「さぁ、早く!
トンネルが消えてしまうよ!」
魔法使いの声が、鋭く響いて来る。
トンネルの向こうを透かして見ると、王子様がこちらに向かって、手を広げて
待ちかまえていた。
トンネルに一歩、脚を踏み入れて、進もうとすると…
「エミ!」
こちらに向かって、声が聞こえる。
なんで今さら?
エラの足が、一歩止まる。
するとすぐ側を歩いていた、少女の手をぐぃっと引っ張ると
「幸せになるのよ」
耳元にささやくと、その背中をドンと押した。
丁度その時、12時の最後の鐘が鳴り終わり…
光りの渦が、眼が開けていられないほどに、光り輝き、
エラとその女の子を、包みこむ。
一瞬、女の子と手が離れた、その時に…
光りの筋が、2人を飲み込んで、大きく輝きを放って、閉じて行く…
そうして球体の形を作ると、一気にすぅっと消えて行く…
そうして気が付くと、同行していた、カスミさんとシューヘイと、
仲間たちが、呆然と立ち尽くしている。
「ね、あの子…無事に元の世界に、戻れたのかしら?」
一同を振り向くと、カスミさんが聞く。
「さぁ?」
シューヘイが答える。
一同は、しばらく辺りを見回すけれど、もう何も見えない…
さらに、光のトンネルは、跡形もなく、忽然と姿が消えた。
空には、月が顔を見せている。
「さぁ…私たちも、もう帰りましょ?」
カスミさんがそう言うと、元来た道を、戻って行った。
今でもなんで…自分がここにいるのか、よくわからない…
運命のあの人は、本当にこの人だったのか、
やっぱり今も、わからないのだけれども。
それでも少しずつ、今の私のことを、好きになっている。
毎日がミラクルで、毎日が幸せ。
驚きの連続だけれど…
こんなに自由でいても、いいのかしら、と逆に思うくらいだ。
もしも、運命のいたずらであるのならば…
どうか、お願い!
このままでいさせて…と、今はそう思う。
あの人は、ここにはいない。
あの人のことは、もう…顔も声も、ほとんど覚えてはいない。
それでも、いいの!
今の世界が、私のいるべき場所ならば…
だって、私には私だけの素敵な王子様、がいるのだから…
第1章 トンネルの向こうには…
鬱蒼とした森の中に、光のトンネルが浮かび上がっている。
今にも消えそうなくらい、白くて透明な光りだ。
今まさに、どこかで鐘の音が聞こえてくる。
耳を澄ませていると…こっちの方と、トンネルの向こうからも、
まるでシンクロするように、響いている。
「さぁ、早く!
トンネルが消えてしまうよ!」
魔法使いの声が、鋭く響いて来る。
トンネルの向こうを透かして見ると、王子様がこちらに向かって、手を広げて
待ちかまえていた。
トンネルに一歩、脚を踏み入れて、進もうとすると…
「エミ!」
こちらに向かって、声が聞こえる。
なんで今さら?
エラの足が、一歩止まる。
するとすぐ側を歩いていた、少女の手をぐぃっと引っ張ると
「幸せになるのよ」
耳元にささやくと、その背中をドンと押した。
丁度その時、12時の最後の鐘が鳴り終わり…
光りの渦が、眼が開けていられないほどに、光り輝き、
エラとその女の子を、包みこむ。
一瞬、女の子と手が離れた、その時に…
光りの筋が、2人を飲み込んで、大きく輝きを放って、閉じて行く…
そうして球体の形を作ると、一気にすぅっと消えて行く…
そうして気が付くと、同行していた、カスミさんとシューヘイと、
仲間たちが、呆然と立ち尽くしている。
「ね、あの子…無事に元の世界に、戻れたのかしら?」
一同を振り向くと、カスミさんが聞く。
「さぁ?」
シューヘイが答える。
一同は、しばらく辺りを見回すけれど、もう何も見えない…
さらに、光のトンネルは、跡形もなく、忽然と姿が消えた。
空には、月が顔を見せている。
「さぁ…私たちも、もう帰りましょ?」
カスミさんがそう言うと、元来た道を、戻って行った。
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