おかえりなさい、シンデレラ(改訂版)

daisysacky

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第3章 不思議な国のシンデレラ

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「でも…タクトも一応男だし、あなた…それでもいいの?」
 困ったように、この見知らぬ女性に聞かれても、エラとしては
何も言えないのだ。
途方に暮れているエラを見て、
「いいわ、わかった」
はぁ~とまたも、その人はため息をつく。
「とにかく思い出すまでだけだからね!」
そう言いおくと、
「私からも、タクトによく言っておくわ。
 それともやっぱり…ここよりもだいぶ狭いけど、うちに来る?」
エラの方をまっすぐに見つめる。
ツンケンとした物言いだけれど、案外優しい人のようだ。
どうやらまだ自分よりも若い、エラのことを、放っておくことが
できなくなったらしい。
だがそうは言うものの、それでもまだ…疑わしそうに、エラを見つめる。
 本当に、迷子なのか、
 本当に、記憶喪失なのか、
 実は…すべて演技で、わかっているのではなかろうか?
 それとも、タクトを追いかける理由が、あるのではないか…と。
まるで結婚詐欺師か、オレオレ詐欺か、はたまた若い美人局か何か
ではないか…
(それとも新手の援助交際か?)
またはバックに、ヤクザのような誰かがついていて、指示通り動いて、
何かイチャモンつけて、とてつもない慰謝料を請求されるのではなかろうか…
うさんくさいものを見るような目付きをした。

「ほんと、タクトには困るわぁ~
 厄介なことばかり、拾ってくるのだから」
そう言うと、ようやく肩に下げていた、大きめのカバンを床に下ろした。
「ま、とにかく…タクトに頼まれたから、私のお古を貸すけど…
 サイズの方は、大丈夫なの?」
その女性は、エラの身体を、頭の先から爪の先まで、ジロジロと見下ろす。
いきなり現れたこの女性に、エラは身体をこわばらせて、立ちすくむ。
一体この人は、あの人とどういう関係なのだろう…と、エラは少し
おびえた表情で、後ずさりをした。

 
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