ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第1章  大学生デビュー

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「また、またぁ~」
 玲はケラケラと笑う。
「珠紀って、ホント、真面目ちゃんなんだからぁ」
かくいう玲は、慎重派の珠紀と違って、とても思い切りのよくて、
大胆なのだ。
だがこれぞ、という時にいつも、思い切った行動をするので…
常々尊敬するのだ。

「私は 行くわよ!
 だって、面白そうじゃない」
どうして珠紀が迷うのか、その理由がわからない、という口調で
玲ははっきりと言う。
「えぇ~」
どちらかというと珠紀は、考えに考え抜くタイプなのだ。
中々玲のような決断が出来ないのだ。
「珠紀の分も、申し込んでおくわよ!」
これではラチがあかない…と、いつまでもぐずぐずしている珠紀に
シビレを切らして、玲が打ち切ろうとする。
珠紀はタオルを首にかけると
「えっ、ちょっと待ってよぉ」
あわてて受話器に向かって、叫んだ。
だが受話器の向こうの玲は、まったくペースを崩すことなく
「大丈夫よ!先輩もいるし、みんなもいるし。
 それよりさぁ、とっておきの場所って、何かワクワクするじゃない!」

 どうやら玲は、興味を持ったようだ。
大学に入ったばかりで、右も左もわからない2人…
玲に誘われて、しぶしぶ来た、国立大学のサークルに、
訪問しただだけでも、珠紀にとっては十分思い切ったことなのに…
さらにコンパにも、参加するなんて…
「ねぇ、なんか…女子大生って感じ、してこない?」
上ずった玲の声が、スマホから響いて来る。
「ん…まぁ、そうだけど…」
なんとなく、まだついていけない、珠紀だ。

こんなに浮かれていて、本当にいいのかしら?
ふと珠紀は冷静になる。
今まで父親と2人で、家事をしながら、高校に通ってきた。
玲と同じ大学へ行く、と決まった時には、
父は少し、寂しそうな顔をしていた…
「まだ、珠紀は若いのだから、いろんな経験を積むといい。
 もしも失敗しても、それがまた、大切な経験の1つとなるのだから…
 堂々と胸を張って、生きていくんだよ」
そう言って、送り出してくれたのだ。

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