ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第4章  湖のほとりで

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  なによ、それ!
 玲はまさか…夜中に部屋を、こっそり抜け出すつもりだったの?
 そんなこととは、全く気付かなかったので、珠紀は内心ひどく驚いていた。
 玲はまったく、悪びれた様子もなく
「えっ、なんでよぉ」
ちょっと気を悪くしたように、口をとがらせる。
 いつの間にか他のみんなとは、距離が離れてしまい、気が付くと
姿が見えなくなっていた。

「あらっ、ちょっと…先輩たちは?」
すっかり2人きりになっていたことに、ようやく気付き、珠紀はあわてる。
ただの1人も、自分たちが置き去りになっていることに、気づいていない、
ということと、こんな全く知らない場所で、忘れられてしまった、ということに、
やはり怖くなるのだった。
 だがこれは、ただの山道だ。
おそらくはここをまっすぐにたどれば、追いつくに違いない…
「だけど、ここをまっすぐ行けばいいよね?」
確かめるように、玲を振り返って聞くと、相変わらず憮然とした表情で、
「そうなんじゃないの?」
子供のように、すねた顔で、ブスリと言った。

 それにしても、玲は気付いてないのか?
それとも全く、不安じゃあないのか?
珠紀には、玲の心の内が読めないけれども。
それでもいくらなんでも、先輩たちが、自分たちを置いて行くはずがない、
と相変わらず信じていた。
先ほどから歩いているけれど、車が側を通り抜ける様子もない。
「湖って、どこ?
 まだつかないの?」
ちょっとイラだった口調で、思わず聞くと、
「そのうち、見えてくるんじゃあないの?」
相変わらず玲は、慌てる気配も見せず、全く余裕の顔でそう言い切る。

 ただの森に、囲まれているだけだ…と思っていたのだが、
それはいきなり訪れた。
緑の木々が、一瞬にして途切れて、目の前がぱぁっと開けてきたのだ。
「えっ、なに?いきなり見えてきた」
目を見開き、思わず大きな声でつぶやくと…
ピタリと足を止めた。
 

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