ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第12章  優しくしてよ、モンスター

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  本当に好意を持ってくれたなら…こうしていつまでも、籠の鳥には
しないだろう。
一体いつになったら、解放してくれるのだろうか?
みんなはもう…自分のことを探すのをあきらめて、帰ってしまった
のだろうか、と半分あきらめの境地だ。
ボンヤリと珠紀は、窓の外を眺めた。

 変化が顕著に現れた、といえば…男が珠紀に、話しかけるのが
増えたことだ…
それもやはり、山内さんのお陰なのだろうが…
「何か欲しいものはないか?」
「食べたいものは?」
 今までは、常に監視をしているようだったのに…
段々と珠紀のことも、聞くようになってきた。
(オバサンの言っていたのは、このことだったのね)
珠紀もようやく、わかってきていた…
いつも冷静な彼も、たまに声をたてて笑ってくれたり…微笑んで
くれるようになってきた。
それ自体も、かなり珍しいことではあったけれど…
目の前で絵をかいたり、
バラの花を持って来たり…
段々と珠紀に心を開くようになってきた。

「あのぉ、私の友達…どうしていますか?」
 ここに来て、5日目に入った頃、さすがに気になって、
珠紀は彼に聞いた。
 男はいつものように、例のモニタールームで、
カメラとじぃっとにらめっこしている。
思い切って声をかけると…
「勝手に入って来るな!」
すぐさま鋭い声を上げた。
「あいかわらず…あんたのことを、探しているようだよ」
前を向いたまま、言った。

 そうなんだ…玲はあきらめてはいなかったんだ!
正直とても嬉しかったのだけれど…申し訳ない気持ちで
いっぱいになる。
まさかまだ…家に帰らずに、がんばっているのだろうか?
他の先輩たちは、どうしているのだろう…
猛烈に珠紀は…みんなに会いたくなってきた。
「気になるか?」
静かに男は言う。
珠紀は寂し気な表情で、うなづいた。




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