ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第12章  優しくしてよ、モンスター

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  連れ立って歩くのは、初めてだった。
だが…珠紀にはとても意外で
(ここの場所、教えないつもりじゃなかったの?)
心の中で、そう思う…
 何よりも、今日はいつもよりも、優しくて、あたりがソフトに
感じる。
もしかして…珠紀が落ち込んでいるのに、気付いたのか?
思わず彼を見上げると、彼は全く表情を変えることなく、
モニタールームの仕掛け扉を閉めている。
(やっぱり、本気なんだ)
 本当いうと、山内さんと一緒の方が、気が楽なのだけれど…
機嫌を悪くしたら、厄介だ。
まぁ、いいかと気を変えた。
それとも…と珠紀は思う。
(まさか、私が逃げるとでも、思っているのかしら?)
それは失礼だわ、と珠紀は思う。
 もっとも一瞬、全く考えなかったか…というと、ウソになる。

「さっ、行こうか」
 ぐぃっと珠紀の手を取ると、自分の腕にからませる。
(うわっ!密着!)
好みの男性とはほど遠い…とはいえ、
見知らぬ男性と、腕を組んで歩くのには、ちょっと抵抗がある。
思わず自分の腕を引き抜こうとすると…
「迷子になってもらっては困る!
 キミは、大切な…」
思いのほか、ハッキリとした声で言うので、珠紀は思わず
その続きの言葉を待った。
おそらく『人質だ』と続くのか、と珠紀は、思わず顔を上げる。
 男はいったん、口を開くけれど…少し迷ったように、
言葉を切って、しばらく考えているようだ。
それからようやく
「客人だ」と付け足した。

 あらっ?と何だか拍子抜けした気分だ。
間の抜けた顔で、珠紀が見上げると…あっと気づく。
(もしかして…あのオバサンに、何か言われたとか?)
何だかとても、奇妙に思った。
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