ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第12章  優しくしてよ、モンスター

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  それにしてもこの男は、本当にあのオバサンに弱いのねぇと
不思議に思う珠紀だ。
(確かにあのオバサンには、何か迫力がある…)
あらためてそう思うのだ。

 内心ドキドキしながら、何日ぶりかで初めて、この隠れ家の外に出る。
一体自分が、今どこにいるのか…初めてわかるんだ、と期待に胸を膨らませる。
 ホテルの1部なのか?
 やはりあの庭のすぐ側なのか?
 それとも…全く違う場所なのか?
それでも若干、ワクワクしているのも、事実だ。

「ちょっと、散歩するだけだからな!」
まるで珠紀の心を見透かすように、男が言うと、
それでもいい、と彼女はウキウキしていた。
 部屋を出て、薄暗い廊下を歩き、オバサンと以前見た窓を
通りすぎると…上に上がる階段が見えてくる。
(あれ?ここは1階ではないの?)
何だか不思議な気分だ…
あの部屋からは、バラが見えていたから、てっきり1階だと思っていたけれど…
一体この屋敷は、どうなってるのか?
まるで珍しいものを見るような顔をして、珠紀はキョロキョロとする。
「ちょっと天井が低いから、気をつけて」
階段を上り切る前に、男が注意する。
そう言われれば…確かに頭上が近い気がする。
男は体をかがめて、上の階へと向かう。

 一体、どこへつながって、いるのだろう?
さすがにすぐには外に出て来ず、うねうねとした廊下が
延々と続いていた。
隠し扉が、いくつもあるらしく…
そのたびごとに、男は鍵を使ったり、手で押したりする。
(これは玲たちに、見つけられなくても、仕方がないなぁ)
案外あっさりと歩いていた。
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