桜ハウスへいらっしゃい！

第１１章 新しい仲間たち

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「魔女…というより、少し癖の強い変り者が、いるんですけど」
　佐伯さんの顔色をうかがうようにして、待子が言うと…
「まぁ、それはすごい！たのしみ！」
　無邪気にそう言われると…もうどうにもできないなぁ～と、待子は
すでに、あきらめるのだった。
「私もね、ひとり暮らしがしたくて、今親と交渉しているのよね」
あまりにも嬉しそうに言うので…そんなに見せるほど、面白いわけでも
ないんだけどな…と、待子は戸惑うばかりだ。
「今日は…相沢さんは、いないんですね？」
何気ない調子で、聞いて来るので、待子も少し困ったように頭をかく。
「そうなの。なんだかまだ、用事があるみたいでね！
　今回はパスされちゃった」と言うと、
「残念だなぁ」
佐伯さんは心底ガッカリとした顔をする。

　やはりそうかぁ～
今に限ったわけではなく、クラスメイトの大半が、なぜか杏子と
友達になりたいらしい。
機転がきいて、頭がよくて、いつも笑顔でいる杏子のことを、
まぶしい思いで、待子は見ている…
（私も　あんな風だったら、友達がもっとたくさんできるんだろうなぁ）
そう思うけれども、佐伯さんはむしろそれほど気にする様子もなく…
「よかった！風野さんが、どんなトコに住んでいるのか、
　興味があるのよねぇ」と、ニコニコする。
　
　一体どこで、そんな噂が流れているのか…と不思議に思う。
「あそこにね、とってもよく当たると評判の、占い師さんが住んでいると、
　聞いたことがあるのよ」
　何気ない調子で、佐伯さんが言うので…
（また聞いた！どんだけ大家さん…有名なの？）
驚く待子なのだ。