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第12章 桜ハウスへようこそ
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「あら!あなた…お弁当、作ってきたの?」
それは弁当を作ることなど、まったく眼中になかった、といわんばかりの空気を
漂わせていた。
だからひどく驚いた眼で待子の方を見る。
「そんな大したものじゃあないけど…」
あんまり驚かれるので、かなり居心地が悪く、なんだか余計に
包みを開けるのが、気恥ずかしくなっていた。
それでも佐伯さんが、じぃっと包みを見つめているので、
「ホント、あまりものだから」
と言い訳をしながら、包みをほどいていく。
100均で買ってきたタッパーに、おにぎりが2つに、漬物が少し。
卵焼きが2切れに、ミニトマト。
それに昨晩の残り物の煮物が、詰め込まれていた。
「おいしそう~」
自分の指先に視線が注がれると、かえって気恥ずかしくなってしまう…
こんなことなら、パンでも買えばよかった、と思うけれども、
あとの祭りだ…
もうすっかり、瞬発力が欠如している。
「お金がないからねぇ~あまりものでも、弁当は弁当だから」
まるで言い訳をするように、何度も自分に言い聞かせている。
小さな声で言うのを、
「いいじゃない!しっかりしてるなぁ」
大げさなくいらいに、佐伯さんは待子のことをほめたたえると、
そんなんじゃないのに…と照れくさい気持ちでいっぱいになる。
そんな照れくさいような、気恥ずかしい気持ちをごまかすように、
待子は箸箱から、お箸を取り出した。
それは弁当を作ることなど、まったく眼中になかった、といわんばかりの空気を
漂わせていた。
だからひどく驚いた眼で待子の方を見る。
「そんな大したものじゃあないけど…」
あんまり驚かれるので、かなり居心地が悪く、なんだか余計に
包みを開けるのが、気恥ずかしくなっていた。
それでも佐伯さんが、じぃっと包みを見つめているので、
「ホント、あまりものだから」
と言い訳をしながら、包みをほどいていく。
100均で買ってきたタッパーに、おにぎりが2つに、漬物が少し。
卵焼きが2切れに、ミニトマト。
それに昨晩の残り物の煮物が、詰め込まれていた。
「おいしそう~」
自分の指先に視線が注がれると、かえって気恥ずかしくなってしまう…
こんなことなら、パンでも買えばよかった、と思うけれども、
あとの祭りだ…
もうすっかり、瞬発力が欠如している。
「お金がないからねぇ~あまりものでも、弁当は弁当だから」
まるで言い訳をするように、何度も自分に言い聞かせている。
小さな声で言うのを、
「いいじゃない!しっかりしてるなぁ」
大げさなくいらいに、佐伯さんは待子のことをほめたたえると、
そんなんじゃないのに…と照れくさい気持ちでいっぱいになる。
そんな照れくさいような、気恥ずかしい気持ちをごまかすように、
待子は箸箱から、お箸を取り出した。
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