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第13章 桜ハウスを守れ!
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「そうしたいのは、山々なんだけど…息子がねぇ…」
今までに聞いたことがないような、か細い声の大家さんの声が、
受話器の向こうから聞こえてきた。
「それって、ひどいよね?一体、どうなっているの?」
体調を崩して、今日は学校を休んでいる杏子に、すぐさまlineで
相談する。
熱が出て、寝込んでいるという割に、どうやら寝ているのに
飽きたのか、割とすぐに、返信が来る。
(寝てなくて、大丈夫なの?)
そもそも自分がメッセージを送ったことはさておいて、待子は杏子のことを、
今さらながらに心配する。
「とにかくその…不動産屋さんに聞いてみたら?
もう少し詳しい話を聞かないと、待子も納得出来ないでしょ?」
やけにハキハキとそう言うので…複雑ではあったけれども、
それもそうか、と待子は1人、納得するのだ。
「それで佐伯さん…その条件をのんだの?」
急に思い出したように、杏子が聞くので、
あっ、そうだった、と待子はうなづく。
「そうなの!本人はそれでもいいって、明日にでも、越してくる
つもりだそうよ」
やけに自信たっぷりと、機嫌よくうなづいているので…
思わず悪態をつきたくなる。
「物好きねぇ~どうせまた…出ていかないといけないのに」
感心したように言うと、
「それなんだよ!本人はねぇ~とにかくすっかりここが気に入ったらしく、
出ていきたくない、って言ってたわよ」
「そんな風に、思い通りに行くのかしら?」
「それがねぇ、いったみたいなの」
細く高質な声が響いた。
今までに聞いたことがないような、か細い声の大家さんの声が、
受話器の向こうから聞こえてきた。
「それって、ひどいよね?一体、どうなっているの?」
体調を崩して、今日は学校を休んでいる杏子に、すぐさまlineで
相談する。
熱が出て、寝込んでいるという割に、どうやら寝ているのに
飽きたのか、割とすぐに、返信が来る。
(寝てなくて、大丈夫なの?)
そもそも自分がメッセージを送ったことはさておいて、待子は杏子のことを、
今さらながらに心配する。
「とにかくその…不動産屋さんに聞いてみたら?
もう少し詳しい話を聞かないと、待子も納得出来ないでしょ?」
やけにハキハキとそう言うので…複雑ではあったけれども、
それもそうか、と待子は1人、納得するのだ。
「それで佐伯さん…その条件をのんだの?」
急に思い出したように、杏子が聞くので、
あっ、そうだった、と待子はうなづく。
「そうなの!本人はそれでもいいって、明日にでも、越してくる
つもりだそうよ」
やけに自信たっぷりと、機嫌よくうなづいているので…
思わず悪態をつきたくなる。
「物好きねぇ~どうせまた…出ていかないといけないのに」
感心したように言うと、
「それなんだよ!本人はねぇ~とにかくすっかりここが気に入ったらしく、
出ていきたくない、って言ってたわよ」
「そんな風に、思い通りに行くのかしら?」
「それがねぇ、いったみたいなの」
細く高質な声が響いた。
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