桜ハウスへいらっしゃい!

daisysacky

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第14章  一時休戦

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  そろそろ帰ってきたい、とひよりちゃんが言うのだが…
もうちょっと様子を見た方がいい、と大家さんが引き止めているのだ。
それでも当初は、父親に見つかっては大変だ…と、
サラさんの知り合いである、クマオトコこと、熊谷さんのアトリエ兼自宅に、
かくまってもらう形で、しばらく避難しているのだ。
数日間は、息をひそめるように、外出も控え、ひよりちゃんは学校を、
お母さんは仕事を休んでいたのだが…
ようやく大丈夫だろう…ということで、大家さんの知り合いの
お巡りさんが、この家周辺で目を光らせるようになって、
やっと…学校や会社にも、行けるようになったのだ。

 これを聞いて、(大家さんって、顔が広いなぁ)と、
待子は驚いたものだったが…
「そんなことぐらいで、驚いていては、ダメよ」
レイコさんが、目を光らせて言う。
「噂では…さる政治家やお偉いさんが、お忍びで…ここへ占って
 もらいに来るそうよ」
自分は知らないけれど…思ったよりも、かなり大家さんの占いの力は、
相当なものだ…と、あらためて待子は思うのだった。
そうして思う…
またいつか…自分のこれからを、見てもらわねば…と。

「でも、ひよりちゃん、1人で来たの?」
すかさず住人たちに見つかり、一気にうわぁと、子供たちに取り囲まれた。
 現在は、少し離れたところで、ひっそりと暮らしているので…
大丈夫か、と気にかかる。
「なんだったら…帰りを(歩きだけれど)送ってあげようか?」
ニッコリしながら、そう言った。
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