桜ハウスへいらっしゃい!

daisysacky

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第15章  いのち短し 恋せよ乙女?

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  もともと普段から…いかに先生に見つからずに(おそらく気付いていたと
思われるのだが)オシャレが出来るか、と待子たち、真面目女子をのぞいて
他のキラキラ女子たち(クラスに必ず存在する目立つグループ)
この人たちが堂々と、スカートのすそをまくり上げてみたり、
髪をきれいにカールさせてみたり、
アイプチしたり、ビューラーでまつげを上げてみたり、
眉毛を細くしてみたり、グロスで唇をてからせてみたり…
休憩時間は、その席の辺りだけ、きゃあきゃあとにぎやかだったのだ。
「天然です」
そう言い張って、髪の色を明るくしてみたり、ヘアアイロンの自慢をしてみたり。
高校生ともなると、それなりに自分を美しくみせようとする女の子が
続出していたっけ…

「ある意味、みんな…器用なんだね」
まるで他人事のように言う待子。
もっとも自分がしたら、アイラインだって、リップだって、
はみ出してしまうだろう…と思わず笑ってしまう。
だから今でも、洗顔後は、日焼け止め1つで外に出る。
大学デビューなんて、自分には無縁なんだわ…と、
逆に開き直っていた。
「待子はさぁ~そのまんまでいいんだよぉ。
 下手にこねくり回さなくても…」
 化粧品を買おうと言い出した、張本人である杏子が、今さらのように言う。
何を言ってんだか…と、待子はクスリと笑う。

 それにしても、この化粧品の量!
こんな風に、じっくりと見るのは初めてだったので、
どこのメーカーの、どれを選べばいいのか、待子には目移りして、
迷ってしまう…
あのコマーシャルの、とか、有名なメーカーとか、
そんな風にしか、まだわからないし、
基礎化粧品だって、何種類もあり、全部揃えればいいのか、
どれが必要なのか、などとメイク初心者の待子にしてみれば…
カモネギ状態なので、店員さんに話しかけるのも、戸惑ってしまうのだ。
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