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第15章 いのち短し 恋せよ乙女?
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「要はさ、肌に優しいのがいいのよね」
結局杏子にうながされるまま、カウンセリングの人がいないところへ
待子は引っ張られていく。
ひとまず、よかった…と思うものの、待子がホッとする間もなく、
杏子は次々と、化粧品を手に取って、ひとしきり愛でた後、
「手を貸して」
いきなりぐぃっと、待子の手首をつかんだ。
「アレルギーがある人も、いるしねぇ」
そう言うと、
「パッチテスト」と一言つぶやくと、
化粧水や、乳液を慎重に、順繰り、少量手に取ると、待子の手の甲を
すり込んでいく。
しっとりとした、肌になじみやすいもの、
ベタベタするもの、
「なになに~こんなに試してもいいの?」
驚きを隠しきれない、待子をよそに、杏子もすっかり楽しんでいる。
「いいの、いいのぉ」
杏子は俄然張り切って…
「どの色が、いいのかなぁ」
下地のクリームや乳液。
ファンデーションなどを、初めは遠慮がちに、
さらには遠慮なく、ためしながらのぞき込んでくる。
内心待子は、まるで悪いことをしているみたいに、
ドキドキしながら、1つ1つを見比べている。
事実杏子は、全く動じる様子もなく、むしろ毅然として、
堂々とふるまっているのに、感心する…
「私はねぇ、最初はママが選んでくれたの」
杏子の親子は、とても仲良しなのだ。
「でも…そんなに買ったら、お金が…」
次から次へと、小さなカゴに入れていくのを見て、
あらためておっかなくなってくる。
なんのためらいもなく、放り込む姿を見て…
やはり大丈夫か、という不安と、
大量に見える化粧品の数々に、すっかり圧倒されたのは、
間違いのないことだろう。
結局杏子にうながされるまま、カウンセリングの人がいないところへ
待子は引っ張られていく。
ひとまず、よかった…と思うものの、待子がホッとする間もなく、
杏子は次々と、化粧品を手に取って、ひとしきり愛でた後、
「手を貸して」
いきなりぐぃっと、待子の手首をつかんだ。
「アレルギーがある人も、いるしねぇ」
そう言うと、
「パッチテスト」と一言つぶやくと、
化粧水や、乳液を慎重に、順繰り、少量手に取ると、待子の手の甲を
すり込んでいく。
しっとりとした、肌になじみやすいもの、
ベタベタするもの、
「なになに~こんなに試してもいいの?」
驚きを隠しきれない、待子をよそに、杏子もすっかり楽しんでいる。
「いいの、いいのぉ」
杏子は俄然張り切って…
「どの色が、いいのかなぁ」
下地のクリームや乳液。
ファンデーションなどを、初めは遠慮がちに、
さらには遠慮なく、ためしながらのぞき込んでくる。
内心待子は、まるで悪いことをしているみたいに、
ドキドキしながら、1つ1つを見比べている。
事実杏子は、全く動じる様子もなく、むしろ毅然として、
堂々とふるまっているのに、感心する…
「私はねぇ、最初はママが選んでくれたの」
杏子の親子は、とても仲良しなのだ。
「でも…そんなに買ったら、お金が…」
次から次へと、小さなカゴに入れていくのを見て、
あらためておっかなくなってくる。
なんのためらいもなく、放り込む姿を見て…
やはり大丈夫か、という不安と、
大量に見える化粧品の数々に、すっかり圧倒されたのは、
間違いのないことだろう。
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