桜ハウスへいらっしゃい!

daisysacky

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第15章  いのち短し 恋せよ乙女?

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「何よぉ。せっかく、家族カードで支払おうと思っていたのに」
 不満そうに、杏子が唇を尖らせる。
「いや、それは違うでしょ」
 やはりお嬢さん育ちの杏子には、わからないか…と、待子はため息をつく。
「杏子はいいよ。
 だって自分の家族に払ってもらえるんだもん!」
 あきらめたように、ポソリと言う。
「でも私は…杏子の家の子供じゃあないから…」
「いいじゃん、気になるなら、後で返してくれればいいし」
「だから…そういうのとは、ちょっと違うんだな」
 やはりどうしても…こういう金銭感覚が、いくら幼なじみ
であっても、待子と杏子では、考え方もライフスタイルも 
きっと違うのだろう…と思うのだ。

「そんなことをしたなら、もう杏子とは遊べないよぉ
 それでもいいの?」
さらにキッパリと待子が言うと
「それは 困る!」
さすがの杏子も、若干慌てたようだった。

「ずいぶん、たくさん買ったよねぇ」
基礎化粧品と、ファンデーションが入った紙袋をぶら下げて…
心なしか 待子はウキウキとしたように言う。
「すっからかんになっちゃった」
財布を取り出して、杏子に言う。
その割に、なぜだか機嫌がいいのだ。
「しばらくは…節約生活、しなくちゃ」
きっぱりと言う待子に…
「ねぇ、まかないとか、ないの?」
能天気な声で、杏子は言った。

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