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第17章 動き出した歯車
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「ね、大丈夫?」
心配そうに、杏子が待子の顔をのぞき込むと、
「ん~大丈夫」
水の入ったグラスを、トンとテーブルの上に置くと、
待子は微笑む。
本当は、全然大丈夫ではないけれど、それでもまだ、なんとかなる…
と思っていたのだ。
「えっ、あれ?マチちゃん、まだ下宿見つかってないの?」
マスターが、カウンターから顔をのぞかせる。
「うん、まぁ…」
待子が言葉を濁すと、意味もなくカウンターの上を、ダスターで拭き始める。
「なんだ!なら、うちに来ればいいじゃない!」
明るい声で、杏子が口を開く。
「どうせなら、ルームシェア、しましょうよ」
楽しそうに言う杏子に、待子はニッコリと微笑む。
申し出はとてもうれしいけれど。
2人で同居も楽しそうだけれど。
それでも気になることがある。
「だって、彼氏、来るんでしょ?」
悟ったような顔で言う。
女の友情も、男の前では、もろいものなのだ。
すると、やはり杏子は目をそらすと
「うん、そりゃあまぁ、そうなんだけど…」
落ち着きなく、目をキョロキョロとさせる。
杏子はそれでも何か言いたそうに、口をモゴモゴさせると
「だったら、しばらく外で会う!
部屋には入れないし、待子には迷惑かけない。
それだったら、いいでしょ?」
まるで子供のような目で、せがむように待子を見つめる。
「ダメよ」
シュンとする杏子を見ると、待子は慰めるように続けて
「うれしいけど」と微笑むと
「うち…母さんが帰ってこい、って言ってるの」
ちょっと寂しそうに言う。
また振出しに戻るのか、と憂鬱な気分になってくる…
「それ、まずいじゃない!」
思わず杏子は、大きな声で言った。
心配そうに、杏子が待子の顔をのぞき込むと、
「ん~大丈夫」
水の入ったグラスを、トンとテーブルの上に置くと、
待子は微笑む。
本当は、全然大丈夫ではないけれど、それでもまだ、なんとかなる…
と思っていたのだ。
「えっ、あれ?マチちゃん、まだ下宿見つかってないの?」
マスターが、カウンターから顔をのぞかせる。
「うん、まぁ…」
待子が言葉を濁すと、意味もなくカウンターの上を、ダスターで拭き始める。
「なんだ!なら、うちに来ればいいじゃない!」
明るい声で、杏子が口を開く。
「どうせなら、ルームシェア、しましょうよ」
楽しそうに言う杏子に、待子はニッコリと微笑む。
申し出はとてもうれしいけれど。
2人で同居も楽しそうだけれど。
それでも気になることがある。
「だって、彼氏、来るんでしょ?」
悟ったような顔で言う。
女の友情も、男の前では、もろいものなのだ。
すると、やはり杏子は目をそらすと
「うん、そりゃあまぁ、そうなんだけど…」
落ち着きなく、目をキョロキョロとさせる。
杏子はそれでも何か言いたそうに、口をモゴモゴさせると
「だったら、しばらく外で会う!
部屋には入れないし、待子には迷惑かけない。
それだったら、いいでしょ?」
まるで子供のような目で、せがむように待子を見つめる。
「ダメよ」
シュンとする杏子を見ると、待子は慰めるように続けて
「うれしいけど」と微笑むと
「うち…母さんが帰ってこい、って言ってるの」
ちょっと寂しそうに言う。
また振出しに戻るのか、と憂鬱な気分になってくる…
「それ、まずいじゃない!」
思わず杏子は、大きな声で言った。
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