ちょっと待ってよ、シンデレラ

daisysacky

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Scene11  シンデレラは時を越えて

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  そういうカスミの声も、少し鼻声です。
潤んだ瞳で、エラの顔を見つめると…
「ほら!あなたまで、そんな顔しないの!
 明日が本番でしょ?もう、寝なくちゃ」
そう言うと…優しくエラの肩を抱きしめました。
返す言葉が何も見つからなくて…
エラは黙って抱かれるまま、うなづくばかりでした…


  翌日、エラの一世一代の芝居が、始まりました。
何とかこのミッションを、やり通さなければ、なりません。
朝、出かける準備をしていると、カスミはエラの前に、コップを1つ置いて、
「ほら、落ち着いて~
 まずは、1杯飲んでから、深呼吸しなさい」と言いました。
それでなくとも、昨晩は、緊張でよく眠れず…
この最後のチャンス、もしもうまくいかなかったら…
とんでもないことになります。
ドキドキしながらも、何度も寝返りをうっていた、ということを、
カスミも気付いていたのです。
「もしも失敗して、帰れなくなっても、大丈夫!
 また、ここで暮らせばいいんだから…」
そう言って、エラの方を見ると、ニッコリと微笑みます。
「はい」
エラに、コップを手渡しました。
エラはカスミの目を見ると…みるみる視界がぼんやりと、にじんできて、
「ありがとう」という言葉も、かすかにかすれ…うまく言葉にはできません
でしたが…
「さぁ、今日は大切な日よ!がんばって行ってらっしゃい!」
そう言うと…エラに、布にくるんだ包みを、手渡しました。

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