83 / 140
第4章 夢のつづき
11
しおりを挟む
「姉さん?」
その女性は、ハッとした貌をして、ジュンヤの方を見る。
「姉さんは、ボクの…お母さんみたいな存在だったんだ。
ずっと側にいて、遊んでくれて、世話をしてくれて…
本当のお母さんよりも、母さんだったんだ」
そう言うと、吸い寄せられるように、その女性を見つめる。
記憶は相変わらず、まだ戻ってはいないけれど、
おそらくは、きっとそうなんだ。
ジュンヤには、確信があった。
「姉さん…」
迎えに来たよ、とジュンヤはじぃっとその場に、立ち尽くした。
ジュンヤの瞳が、わずかに濡れていたので、彼女は打たれたように、
立ちすくみ、彼を見つめる。
「姉さん?」
彼女もまた、自分の中のわずかに残る感覚と照らし合わせて、
奇妙な符号に気付く。
この少年が、私の探していた、大切な存在なのか?
「あなた…名前は?」
かすれる声で、少年に声をかける。
少年は、彼女をじぃっと見上げると
「ジュンヤ。
姉さんの名前は…信子」
ようやく思い出した名前を口にして、彼女の反応を待つ。
「ジュンヤ?」
考え込むようにして、彼女は少年を見つめる。
(どこか、聞き覚えのある名前だ…)
だが、肝心の名前が、本当にそれなのか、彼女にはまだ、
確信がない。
どうやら、記憶のどこか奥に、しまい込んでいるようで…
どこかもどかしい思いで、一杯なのだ。
「だけど…なんで、こんな所にいるの?」
ジュンヤは、信子を見つめると、そう尋ねた。
その女性は、ハッとした貌をして、ジュンヤの方を見る。
「姉さんは、ボクの…お母さんみたいな存在だったんだ。
ずっと側にいて、遊んでくれて、世話をしてくれて…
本当のお母さんよりも、母さんだったんだ」
そう言うと、吸い寄せられるように、その女性を見つめる。
記憶は相変わらず、まだ戻ってはいないけれど、
おそらくは、きっとそうなんだ。
ジュンヤには、確信があった。
「姉さん…」
迎えに来たよ、とジュンヤはじぃっとその場に、立ち尽くした。
ジュンヤの瞳が、わずかに濡れていたので、彼女は打たれたように、
立ちすくみ、彼を見つめる。
「姉さん?」
彼女もまた、自分の中のわずかに残る感覚と照らし合わせて、
奇妙な符号に気付く。
この少年が、私の探していた、大切な存在なのか?
「あなた…名前は?」
かすれる声で、少年に声をかける。
少年は、彼女をじぃっと見上げると
「ジュンヤ。
姉さんの名前は…信子」
ようやく思い出した名前を口にして、彼女の反応を待つ。
「ジュンヤ?」
考え込むようにして、彼女は少年を見つめる。
(どこか、聞き覚えのある名前だ…)
だが、肝心の名前が、本当にそれなのか、彼女にはまだ、
確信がない。
どうやら、記憶のどこか奥に、しまい込んでいるようで…
どこかもどかしい思いで、一杯なのだ。
「だけど…なんで、こんな所にいるの?」
ジュンヤは、信子を見つめると、そう尋ねた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる