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第5章 すべては夢になりにけり
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(もしかして、姉さんも…あの靴を履いたのだろうか?)
ジュンヤはふと、そんなことを考えている。
「ガラスの靴を見付けたとして、その靴を…どうしたいの?」
アナスタシアは、柚に向かって尋ねる。
柚は困ったように、頭をかしげる。
とにかく、見付けないといけない…
それしか、考えていなかったからだ。
「お城には、王様とお妃様しか、いないのよ」
ポンとアナスタシアが言う。
「えっ」
この時初めて、柚が口をポカンと開ける。
「いないの?」
「だから、誰が?」
「…シンデレラ」
そう言いかけて、(あっ、そうか)と思い返す。
目的の人物が、いないかもしれない、なんて考えていなかったのだ。
あまりに柚がションボリとするので、アナスタシアは励ますように
微笑む。
「まぁ、私には、よくわからないけどね」
言葉を濁すように、そう言う。
王子様がいれば、御の字?
そんなことを、つぶやく。
どうしよう…と、柚は考え込む。
「じゃあ、ガラスの靴が、どこにあるのか、知っているの?」
さらにアナスタシアが、柚に重ねて聞く。
それにも「さぁ」と、頭をかしげるばかりだ。
「あら」
明らかに、アナスタシアは困った顔になる。
「じゃあ、どうするの?」
まさか、行くだけでおしまい…というわけには、いかないだろう。
「えっ」
再び柚が、頭をかしげる。
「そうかぁ」
だが、柚を責めることなく、アナスタシアは少し考えると
「それなら、王子様に聞くのがいい、と思うわ」
もしかしたら、何かを知っているかもしれないしね。
アナスタシアは、淡々とそう言った。
ジュンヤはふと、そんなことを考えている。
「ガラスの靴を見付けたとして、その靴を…どうしたいの?」
アナスタシアは、柚に向かって尋ねる。
柚は困ったように、頭をかしげる。
とにかく、見付けないといけない…
それしか、考えていなかったからだ。
「お城には、王様とお妃様しか、いないのよ」
ポンとアナスタシアが言う。
「えっ」
この時初めて、柚が口をポカンと開ける。
「いないの?」
「だから、誰が?」
「…シンデレラ」
そう言いかけて、(あっ、そうか)と思い返す。
目的の人物が、いないかもしれない、なんて考えていなかったのだ。
あまりに柚がションボリとするので、アナスタシアは励ますように
微笑む。
「まぁ、私には、よくわからないけどね」
言葉を濁すように、そう言う。
王子様がいれば、御の字?
そんなことを、つぶやく。
どうしよう…と、柚は考え込む。
「じゃあ、ガラスの靴が、どこにあるのか、知っているの?」
さらにアナスタシアが、柚に重ねて聞く。
それにも「さぁ」と、頭をかしげるばかりだ。
「あら」
明らかに、アナスタシアは困った顔になる。
「じゃあ、どうするの?」
まさか、行くだけでおしまい…というわけには、いかないだろう。
「えっ」
再び柚が、頭をかしげる。
「そうかぁ」
だが、柚を責めることなく、アナスタシアは少し考えると
「それなら、王子様に聞くのがいい、と思うわ」
もしかしたら、何かを知っているかもしれないしね。
アナスタシアは、淡々とそう言った。
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