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第5章 すべては夢になりにけり
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「へぇ~ガラスの靴かぁ…懐かしいなぁ」
なぜかハンスが、大きな声で言う。
ジュンヤは驚いて、
「えっ、知っているんですか?」
思わず聞いた。
ハンスは前を向いたまま、
「知ってるも何も…
この国の人はみんな、ガラスの靴は、一度は拝んだことがあるはずだ」
楽しそうに答える。
「えっ?」
どういうこと?
驚くジュンヤに向かって、アナスタシアも、
「そうねぇ」とうなづく。
「何しろ一時は、国中の娘たちがみんな…あの靴の持ち主になりたい、と
夢を見ていたもんねぇ」
しみじみとした、懐かしそうな声を出す。
「へぇ~」
これって、シンデレラのお話そのものだなぁ…
この時初めて、ジュンヤはシンデレラの話を思い出す。
姉さんがよく、読んでくれていたなぁ~
あの結末は、何だった?
靴の持ち主って、見つかったっけ?
そんなジュンヤをからかうように、
「たとえ靴がはけたとしても…
それで、プリンセスになれるとは、限らないのになぁ」
ニヤニヤしながら、ハンスが言う。
「あらっ!」
隣に座っているアナスタシアが、俄然口をはさんでくる。
「あの当時はみんな、そう信じていたのよ」
抗議するように、ハンスに向かって言い返す。
「そうか、キミも、その口だったのかぁ」
「何よ!あんただって…
幻のお姫様に、興味津々だったくせに!」
いつの間にか、前の二人が、言い合いをしている。
あえてそれを止めることもなく、ジュンヤは黙って耳を傾ける。
(ホント、仲がいいなぁ~)
羨ましそうに、二人の後ろ姿を見詰めた。
なぜかハンスが、大きな声で言う。
ジュンヤは驚いて、
「えっ、知っているんですか?」
思わず聞いた。
ハンスは前を向いたまま、
「知ってるも何も…
この国の人はみんな、ガラスの靴は、一度は拝んだことがあるはずだ」
楽しそうに答える。
「えっ?」
どういうこと?
驚くジュンヤに向かって、アナスタシアも、
「そうねぇ」とうなづく。
「何しろ一時は、国中の娘たちがみんな…あの靴の持ち主になりたい、と
夢を見ていたもんねぇ」
しみじみとした、懐かしそうな声を出す。
「へぇ~」
これって、シンデレラのお話そのものだなぁ…
この時初めて、ジュンヤはシンデレラの話を思い出す。
姉さんがよく、読んでくれていたなぁ~
あの結末は、何だった?
靴の持ち主って、見つかったっけ?
そんなジュンヤをからかうように、
「たとえ靴がはけたとしても…
それで、プリンセスになれるとは、限らないのになぁ」
ニヤニヤしながら、ハンスが言う。
「あらっ!」
隣に座っているアナスタシアが、俄然口をはさんでくる。
「あの当時はみんな、そう信じていたのよ」
抗議するように、ハンスに向かって言い返す。
「そうか、キミも、その口だったのかぁ」
「何よ!あんただって…
幻のお姫様に、興味津々だったくせに!」
いつの間にか、前の二人が、言い合いをしている。
あえてそれを止めることもなく、ジュンヤは黙って耳を傾ける。
(ホント、仲がいいなぁ~)
羨ましそうに、二人の後ろ姿を見詰めた。
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