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第7章 ただいま、シンデレラ
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ストンとジュンヤの背から、滑り降りると、まっすぐにその女性
目掛けて、柚は走り出す。
「ママぁ~」
柚の声が響く。
その人は、柚の声に反応して、
「ユウちゃん?」
ピクッと、こちらの方を向いた。
「ねぇ、ママ、怒ってる?」
勢いよく柚は、母親の足にしがみつく。
母親は抱きとめるようにして、しゃがみ込むと、
「そんなこと、ないよ」
ドンとぶつかって来た我が子を、抱き締める。
「ごめんね。勝手に靴を、引っ張り出して」
素直に柚が謝ると、
「私の方こそ、ごめん。怒ったりして」
娘を抱き締めたまま、そう返す。
柚は母親の腕に、しがみついて
「ママ、ごめんなさい。
ガラスの靴…なくしちゃった」
くぐもった声で、そう謝る。
「いいのよ、それは。
ママには、ユウちゃんさえいてくれたら!」
母親はさらに、柚をギュゥっと抱きしめる。
「それにね、ママにはもう、必要がないから」
ふんわりと、柚の髪から立ち上る甘い匂いを嗅ぎながら、
母親はハッキリとそう言う。
「ママはね、もう…どこにも行かないから。
ママは、柚のママだから。
ここは、私の家だから…」
噛みしめるように、そうつぶやいた。
母親に抱きしめられて、柚はようやく安心する。
もっと早く、こうすればよかったんだ…
素直にそう思う。
「で、このお兄さんは?」
その時ようやく、母親はジュンヤに気が付いた。
目掛けて、柚は走り出す。
「ママぁ~」
柚の声が響く。
その人は、柚の声に反応して、
「ユウちゃん?」
ピクッと、こちらの方を向いた。
「ねぇ、ママ、怒ってる?」
勢いよく柚は、母親の足にしがみつく。
母親は抱きとめるようにして、しゃがみ込むと、
「そんなこと、ないよ」
ドンとぶつかって来た我が子を、抱き締める。
「ごめんね。勝手に靴を、引っ張り出して」
素直に柚が謝ると、
「私の方こそ、ごめん。怒ったりして」
娘を抱き締めたまま、そう返す。
柚は母親の腕に、しがみついて
「ママ、ごめんなさい。
ガラスの靴…なくしちゃった」
くぐもった声で、そう謝る。
「いいのよ、それは。
ママには、ユウちゃんさえいてくれたら!」
母親はさらに、柚をギュゥっと抱きしめる。
「それにね、ママにはもう、必要がないから」
ふんわりと、柚の髪から立ち上る甘い匂いを嗅ぎながら、
母親はハッキリとそう言う。
「ママはね、もう…どこにも行かないから。
ママは、柚のママだから。
ここは、私の家だから…」
噛みしめるように、そうつぶやいた。
母親に抱きしめられて、柚はようやく安心する。
もっと早く、こうすればよかったんだ…
素直にそう思う。
「で、このお兄さんは?」
その時ようやく、母親はジュンヤに気が付いた。
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