ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第2章  謎の隣人VSお姑さん!

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「母さん…どうしたんだよ?」
 ドアのすき間からのぞかせる顔に向かって、久志は声をかける。
「どうしたって…別に」
「そんなことはないだろう」
 はぐらかそうとして、視線をそらすお姑さんに向かって、
彼はさらに声をかける。
「あら、ごあいさつねぇ」
言い返されて、ムッとしたのか、お姑さんは、まっすぐに久志を見る。
「あなた、いらっしゃいも言えないの?」
 突然押し掛けてきた割には、まったくひるむ様子もなく、
堂々とした態度で、久志に向かって向き直る。
その迫力に負けたのか…
「あ、いらっしゃい」
 すっかり気勢をそがれて、やや久志の勢いが、落ちてきている。
「そんなの…今さら、遅いわよぉ」
 まるで少女のように、顔を突き出すお姑さんに、
「まさか灯里を…いじめてはいないんだな?」
 久志がさらに言葉をつづけた。

「まぁ!」
大げさなくらいの、オーバーアクションで、お姑さんは頬に手を当てると
眉をキュッと顰めると
「あなた…人聞きの悪いこと、言わないでよぉ」
甲高い声を上げる。
「それよりも、あなた!
 アカリさんを、家に閉じ込めているんじゃあないでしょうね?」
ぐぃっと間合いを詰めた。
「いや、そんなことは…」
チラリと灯里を見ると、気弱な色を目に浮かべる。
「そうですよぉ~久志さんは、とっても優しいです!」
反射的に、思わず灯里が口をはさむ。
「あら、そう?」
すっとぼけた顔をして、クルリと背を向ける。
その背中に向かって、久志は冗談っぽく
「そうだよ!
 それともあれかい?
 実の息子のことを、DV野郎とでも、思っているの?」
 心外だなぁ~と笑う。

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