ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第4章  まさかの奇跡…

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  美貌の母さんに対して、灯里の父さんはパッとしない。
母さんよりも背が低く、お世辞にもカッコイイとはいえない。
それでも父さんは、とても優しくて、器がデカイのだ。
何で結婚したの?
まんま美女と野獣じゃん、と思っていたけれど、
母さんは父さんのことを、とても尊敬しているのだ。
よく口癖で
「人は見た目じゃなくて、中身で勝負よ!
 あなたも、父さんみたいな人を見つけるのよ」
そう言われて育ったのだ。

 その点に関しては、灯里にも自信がある。
久志さんは、決して若いイケメンではないけれど
(金持ちでもない)
優しさだけは、誰にも引けをとらない自信がある。
灯里にとっては、めっけものの存在なのだ。
だが母さんにとっては、今一つ気に入らないようだ。


「でも…またあのお姑さん、来ないとも限らないわよ」
 どうやらお姑さんは、珍しくまっすぐに家に帰ったようだけど…
またいつ気が向いて、ここに来るのかは、まったくもって
予想がつかないのだ。
「大丈夫よ!久志さんが、ガツンと言ってくれるわよ」
なんの根拠もなく、アリサが言う。
「だけど久志さん、優しいから…
 それはないだろうなぁ」
 だがその前に、しないといけないことがある。
(いつまでも、このままって言うわけには、いかないよね?)
灯里はため息をつく。
もっともそれが…1番の気がかりなことでもある。
「一体いつまで、続くのかしらねぇ」
案外平気な声で、ポソリと言う。
 今の所は、忙しさに忙殺されているらしい。

知らせないで…
あれほど頼んでいたのに、いつの間にか知られたくない人の耳にも、
その便りは、届いたようだった…
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