ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第9章   やっぱり、あなたは…?

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「ほら、もういいから、キミは座っていて!」
 半ば強引に、久志は灯里の肩に触れる。
「今度から…何かあったら、すぐに言うんだよ」
さらに重ねて、久志が言うので
「はい」
素直に、灯里はうなづいた。
「疲れただろ?休んでいいよ」
自分だって、仕事で疲れているだろうに…
穏やかなまなざしで、灯里の肩に手を置くと、椅子に座らせる。
「もう、大丈夫だって」
灯里はクスクス笑う。
甘やかさないでよ、私…どこまでも、ダメになっちゃう…
「大丈夫よぉ~生まれるまでは、少しは動かなくちゃ」
にこにこしながら言う。
久志さん…男だから、わかんないかぁ~
そうつぶやくと、
「ダメだよ!」
久志は、キッパリとした口調で言った。
「キミ…流産しかかったんだから、無理をしたら、
 ダメだよ」
灯里の肩を押さえるようにして、椅子に座らせる。
「それとも…」
久志は思いきったように、灯里の顔を見つめる。
「だったら…しばらくの間…
 実家に帰る?」
思いがけないことを口にする。
「ううん…かえって、気を遣うから」
 もともと、自分と母は相性が悪いのだ。
「そうかぁ~
 じゃあまた、アリサさんに時々来てもらおう」
納得したように、久志が言うと
「はいはい」
自分は信用がないのかなぁ~
灯里はあきらめたように、ニッコリと微笑んだ。


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