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第10章 捨てる神あれば拾う神あり
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「でも…久志さんなら、あるんじゃない?」
アリサが楽しそうに笑う。
でも何だかちょっとうらやましい。
だって自分が、陶子さんの姪なのに…
何で自分を通り越して、久志さんに言うのだ?
そう思っていると…
「それはねぇ、オジサンは本当は、息子が欲しかったからなのよ」
どうも特別の思い入れがあるようで、陶子さんはしみじみとした
口調で、灯里に言う。
「だけどね、赤ちゃんが生まれたら、きっとそんなこと…
あの人は忘れると思うわ!」
やけにニヤニヤしながら、陶子さんが付け加える。
「えっ、赤ちゃん?」
「そう」
自分は…お腹の赤ちゃんに負けたのかぁ~
灯里の心は、複雑だった。
「ま、いいんじゃない?」
だが陶子さんは、さして気にしていないようだ。
「あの人ね、子供が好きなのよ。
でも…私たちには子供が出来なかったからねぇ~
だから余計に、アカリちゃんが妊娠したことが、嬉しいのよ」
陶子さんは…目を細めて、灯里をじぃっと見つめる。
「だからね、遠慮しないで、甘えて欲しいのよ。
その方が私たち、とっても嬉しいのよ」
何でこんなに、優しい人なのだろう。
生まれて初めての親切な人に、灯里はすっかり、感激する。
なぜなら、ほんの数日前までは、その存在さえも全く知らなかったからだ。
アリサが楽しそうに笑う。
でも何だかちょっとうらやましい。
だって自分が、陶子さんの姪なのに…
何で自分を通り越して、久志さんに言うのだ?
そう思っていると…
「それはねぇ、オジサンは本当は、息子が欲しかったからなのよ」
どうも特別の思い入れがあるようで、陶子さんはしみじみとした
口調で、灯里に言う。
「だけどね、赤ちゃんが生まれたら、きっとそんなこと…
あの人は忘れると思うわ!」
やけにニヤニヤしながら、陶子さんが付け加える。
「えっ、赤ちゃん?」
「そう」
自分は…お腹の赤ちゃんに負けたのかぁ~
灯里の心は、複雑だった。
「ま、いいんじゃない?」
だが陶子さんは、さして気にしていないようだ。
「あの人ね、子供が好きなのよ。
でも…私たちには子供が出来なかったからねぇ~
だから余計に、アカリちゃんが妊娠したことが、嬉しいのよ」
陶子さんは…目を細めて、灯里をじぃっと見つめる。
「だからね、遠慮しないで、甘えて欲しいのよ。
その方が私たち、とっても嬉しいのよ」
何でこんなに、優しい人なのだろう。
生まれて初めての親切な人に、灯里はすっかり、感激する。
なぜなら、ほんの数日前までは、その存在さえも全く知らなかったからだ。
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