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第10章 捨てる神あれば拾う神あり
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(なんで、そう思うの?)
灯里は自分に、自信がないのだ。
美しいわけでもないし、面白いわけでもない。
秀でた才能があるわけでもないし、料理がとびきり上手なわけでもない。
気の利いたことが出来るわけでも、話せるわけでもない…
「なんで…私なんかのために?」
そうつぶやいていると、急にお腹がとてつもなく、ギュウッと締め付けられる
痛みを感じた。
(えっ、なに?)
もしかして、この子が怒っている?
そんなつまらないことで、クヨクヨ悩むな…と?
万力で締め付けるように、とんでもなく強い力で、自分の子宮が
絞られるような…
そんな痛みが、彼女を襲った。
急に黙り込み、お腹を押さえる灯里に気付くと
「アカリ…どうしたの?」
アリサが心配そうに、声をかける。
「うん…ちょっと、お腹が…」
そう言うと、ぐっと目をつむって、痛みに耐える。
「アカリちゃん?もしかして…」
陶子さんが、急いで彼女に近付く。
うずくまる彼女をのぞき込むと
「病院に連絡しようか?」
「救急車!」
「おしるし、きた?」
立て続けに聞くので、ようやく灯里は、これが陣痛か、と気が付いた。
だけど灯里にとって、初めてのことなので、それがそうなのか、
よくわからない。
身動きできないような激しい痛みに、息を呑み込んで、
叫びたいのを必死でこらえていた。
灯里は自分に、自信がないのだ。
美しいわけでもないし、面白いわけでもない。
秀でた才能があるわけでもないし、料理がとびきり上手なわけでもない。
気の利いたことが出来るわけでも、話せるわけでもない…
「なんで…私なんかのために?」
そうつぶやいていると、急にお腹がとてつもなく、ギュウッと締め付けられる
痛みを感じた。
(えっ、なに?)
もしかして、この子が怒っている?
そんなつまらないことで、クヨクヨ悩むな…と?
万力で締め付けるように、とんでもなく強い力で、自分の子宮が
絞られるような…
そんな痛みが、彼女を襲った。
急に黙り込み、お腹を押さえる灯里に気付くと
「アカリ…どうしたの?」
アリサが心配そうに、声をかける。
「うん…ちょっと、お腹が…」
そう言うと、ぐっと目をつむって、痛みに耐える。
「アカリちゃん?もしかして…」
陶子さんが、急いで彼女に近付く。
うずくまる彼女をのぞき込むと
「病院に連絡しようか?」
「救急車!」
「おしるし、きた?」
立て続けに聞くので、ようやく灯里は、これが陣痛か、と気が付いた。
だけど灯里にとって、初めてのことなので、それがそうなのか、
よくわからない。
身動きできないような激しい痛みに、息を呑み込んで、
叫びたいのを必死でこらえていた。
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