ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第10章  捨てる神あれば拾う神あり

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 すると突然、バン!とドアを開ける音がして、
「灯里!大丈夫か?」
久志が飛び込んできた。
ハァハァと息をきらしているので…
もしかしたら、用事の途中で、走ってきたらしい。
汗もふかずに、飛び込んできたので…
よっぽどあわてて来たのだろう。
「なんで、久志さん…」
どうして、わかったのだろう?
(やっぱり久志さん…エスパーなの?)
そう思っているうちに、ふっと意識が遠のいてきた。
 遠くで、久志の声が聞こえてくる。
(あぁ~これって、夢の中と同じだ…)
そうボンヤリと思っているうちに、救急車の音が、ドンドン
近付いてきた。


 目が覚めると…誰かが、灯里の手を握ったまま、眠っている。
(えっ?)
首を巡らせると、椅子に座ったまま、布団に突っ伏している
久志の姿が見えた。
(えっ、どうして?)
一瞬、どうして自分がここにいるのか、理解が出来なかった。
(ここって、病院?)
ポカンとする灯里だが…徐々に自分が、倒れたことを思い出す。
(えっ?)
もしかして…ダメだったの?
彼女はあわてて、布団越しに、自分のお腹をさわる。
(あっ、大丈夫だ)
ひとまずホッとする灯里に、
「あっ、気が付いた?」
久志とは、別の声がする。
(陶子さん?)
目を動かし、その姿を探す。
「よかったぁ~」
(これは、アリサ?)
気が付けば、みんなに周りを取り囲まれていた。
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