真実【完結】

真凛 桃

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7話 チスンの葛藤

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久美子は家に戻り、玄関のドアを開けようとすると、落ちている財布に気が付いた。

(え…誰のだろう?)

部屋に入り、落とし主を調べようと財布の中を確認すると、チスン名義の免許証が入っていた。

(どうして…チスンさんの財布が⁈…もしかして、あの後ここに来たってこと⁇)

部屋に置いていた携帯を手に取ると、チスンからの着信が入っていた。
慌てて折り返すが、チスンは電話に出ない。

免許証の住所を地図で確認すると、そこまで距離は離れてなかった。

免許証がないと明日、困るはず…
そう思った久美子は、タクシーを拾ってチスンの家に届けることにした。

30分ほどでチスンが住むマンションに着いた。
チャイムを鳴らすと、ドアが開いた。

(え…)

出てきたチスンは、久美子を見て驚く。

「ど、どうしてここが…」

「すっ、すみません…免許証見て…」

「免許証⁈どうして?」

久美子が財布を渡した。

「あっ…あぁ…」

(あの時…落としたんだ…)

「私を送ってくれた後、また戻って来たんですか?」

「、、、」

「チスンさん?」

「言い忘れてたことがあって」

「え…何ですか?」

「さっきスジンさんと話してて気づいたけど…スジンさん、久美子さんのこと気に入ってるみたいだし、スジンさんのいないところで俺と久美子さんが会っていたら嫌なんじゃないかと思う」

「…え?でも…」

「ごめんね。誘ったりして。だから…」

「…だから?」

「もう、俺の電話番号も消して。俺も消すから」

そう言うと、ドアを閉めた。

久美子はショックでその場に座り込んでしまった

チスンはしばらく玄関から動けず、心を痛めていた。

(俺は…何をしてるんだ…)

スジンと久美子の関係も知らずに、久美子に気持ちが傾いたことと、久美子に冷たい言葉をあびせたことで、自分自身に腹を立てていた。
















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