真実【完結】

真凛 桃

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12話 チスンの過去

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「今から話すこと聞いて、もしかしたら俺から離れたくなるかも知れないけど…その時はクミの好きなようにしていいから…」

「え…何?」

「…7年前、事務所の後輩の子と付き合ってた。あの頃は自分のことしか考えてなかったから、人目を気にせず昼からデートしたりしてた。写真を撮られて記事にもされた挙げ句、俺のファンがSNSで彼女を誹謗中傷した…」

「そんなことがあったの…」

「彼女の苦しむ姿見たくなかったし、だから別れを選んだ。彼女はこの業界を辞めて一般人になったんだけど、まだ付き合ってると思い込んでる俺のファンが…俺のファンが…」

声を震わせ、言葉を詰まらせる。

「チスン?」

「…彼女を」

「え…」

「…刺したんだ」

(そんな…スジンさんが前に言ってたチスンのトラウマって…このことだったんだ…)


「その彼女は…どうなったの…?」

「一命は取り留めたけど、人間不信になったみたいで…」

「そ、そう」

「もし亡くなってたらって考えると、俺…俺…」

久美子はチスンを抱きしめた。

「話してくれて、ありがとう」

「…クミ」

「だからチスンは人一倍、警戒心が強いんだね…」

「本当は世間に公表して堂々としたいけど、なかなか踏み切れなくて。これでまたクミにまで何かあったら…こんな過去を持つ俺だけど、嫌じゃない?」

「嫌なわけないじゃない。むしろ私がもっと支えたいと思った。私はチスンと一緒に居られるだけでいい…」
    
「クミ…ありがとう…何があっても、俺が守るから!」

「うん…」

チスンは命を賭けてでも久美子のことを守ろうと心から思った。 








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