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13話 大切だから
しおりを挟む2日後。久美子は職場の休憩時間に店長と話していた。
「昨日は忙しくてあまり話せなかったけど…一昨日は本当にゴメン」
「いいですけど…店長、チスンにベッタリし過ぎでしたよ」
「だったよね…ごめん。飲み過ぎたわ」
「でも、楽しかったですね」
「うん。クミちゃん幸せだね」
「はい♡」
「…だけどさぁ、別々に寝てるってビックリなんだけど、もしかして…」
「何ですか?」
「チスンさんとまだ…何もないの?」
「…え、何も…って…?」
「アレよ、アレ。どこまで進んでるの?」
「あっ…それは…」
(告白された時にキスした…)
「1回キスした…だけ」
「え…それだけ⁇」
(そうだ…あの日以降、キスすらしてない…チスンと過ごせるだけで幸せだから、そんなこと考えてなかった…)
「お、おかしいです…よね?」
「そ、そうねー。付き合って1ヶ月くらいでしょ?しかも一緒に住んでるのに…」
「た、確かに…私に魅力がないんですかね…」
「そんなことはないと思うけど、この際一緒に寝たら?恋人同士なのに別々の部屋で寝てることが、ちょっとねー」
(確かに…そうだよなぁ…)
この日の夜。久美子は先にシャワーを済ませ、普段の部屋着をいつものスウェットから丈の短いパジャマに替え、チスンの帰りを待っていた。
(恥ずかしいけど…これしかない)
久美子が覚悟を決めると、チスンが帰って来た。
「おかえりぃ」
「ただいま。…え?」
チスンは久美子の姿に、目を疑った。
「なっ、何?」
「ちょっと短すぎじゃない?」
「そうかな~」
「俺、シャワー浴びて来ます」
チスンは逃げるように浴室に向かった。
(照れちゃって…可愛い♡)
その後2人はソファーに座り、テレビを見ていた。
久美子はわざと脚を組み直し、お色気をアピールした。
久美子の不自然過ぎる行動を見て、チスンは何となく理解してきた。
「クミ、もっと近くに来て」
「えっ…うん」
すると、チスンは久美子の服を脱がしながら押し倒した。
久美子はびっくりして思わず声を出した。
「このままベッドに行く?」
「え…そ、それは…」
チスンは微笑むと、久美子を優しく抱き起こした。
「冗談だよ」
「…チスン…」
「っていうか…バレバレなんだけど。俺が何もしないから…でしょ?」
(バレてた…)
久美子はすごく恥ずかしくなった。
そんな久美子を見て可愛いと思うチスン。
「何で、何もしないと思う?」
「…わからない」
「クミを大事にしたいからだよ。大切だから…」
「え…」
「こんなことさせてしまってごめんね。この前、店長とホンユから別々に寝てること疑問に思われてたから、俺も色々と考えてた」
「チスン、私はいいよ。充分大切にされてるのは分かってるから…だから、一緒に同じベッドで寝たいの」
「…クミ」
「…ダメかな…?」
チスンは優しく久美子にキスをして、そのままベッドまで抱きかかえた。
初めて結ばれた2人は、この日からより一層、愛が深まっていった。
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