真実【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
14 / 76

14話 気の緩み

しおりを挟む

3ヶ月が経った。
チスンはこの日撮影が入り、一泊で済州島へ行っていた。

久美子と店長は仕事を終えて、食事に行くことにしていた。
店を閉めて外に出ると、ホンユが来た。

「ホンユさん!どうしたんですか?」

「ホンユさん!お久しぶりです‼︎」

「ど、どうも。お2人共もう帰られるんですか?」

「は、はい」  

「チスンは明日帰って来るんでしょ?ロケが入ったみたいだね」

「はい」

「だから、これから2人で食事に行くんです」

「そうなの?俺もご一緒していい?」

「もちろん‼︎いいよねクミちゃん」

「あ…はい」

そして3人はホンユの行きつけの店へ行った。

お酒を飲みながら食事をする。

「今日、済州島に行くってことチスンから聞いたんですか?」

「いや、今日チスンの事務所にたまたま用事があって行ったら、スジンさんがいて聞いた」

「そうだったんですね」

「一緒に住んで初めてじゃない?家に1人なの。寂しいでしょ」

「はい…早く明日にならないかなー」

ホンユはため息をつく。

「そういえばホンユさん、彼女いないって言ってたけど、好きな人もいないんですか?」

「…いるよ」

「えー、いるんですねー」

「女優さんですか?」

「知りたい、知りたい~」

「内緒っ」

「えー、気になるぅ~」

「俺の片思いだから。今のとこ…」

「大丈夫ですよ。ホンユさんなら!上手くいくといいですね」

「そうだね」

そして2時間ほど経ち3人は帰った。


翌朝、チスンからもうすぐ着くとメールが来た。
久美子は待ちきれなく、マンションの下へ迎えに行った。
チスンの車が横切ると、チスンは久美子に気づき、驚いた顔をした。
駐車場に車を停めたチスンは、慌てて久美子の手を引き急いでエレベーターに乗る。

「あんなところにいちゃだめだよ。誰かに見られたら…マスクもしてないし…」

「ご、ごめんなさい…早く会いたくて」

「クミ♡俺も会いたかった!」

「チスンー!!」

「シーっ、声が大きい」

「あっ、ごめん」

エレベーターを降り、玄関のドアを開け、中に入ると早速抱きしめあった。

「おかえり♡」

「ただいま!」

「まさか朝帰ってくるとは思わなかったよ」

「クミが仕事に行く前に帰り着きたかったから、急いで帰ってきた」

「あ…ごめん。今日私休みなの…」

「そ、そうだったの⁈」

「私も昨日聞いたから…」

「じゃあ今日はゆっくりできるね!」

「うん♡」

あまり寝ていなかったチスンは眠りにつき15時過ぎに起きてきた。

「おはよ。よく寝てたね!」

「ごめん。こんなに寝るつもりじゃなかった…」

「それだけ疲れてたんだよ。それより、買い物に行こうと思ってるんだけど…」

「一緒に行こうか。お酒もないし、まとめ買いしに行こう」

「でもスーパーは人多いし、2人では行けないよね?」

「マスクするし、店の中では、別々に行動しよう。レジでは前後に並んでも他人のフリだよ」

「うん!わかった」

2人は車でスーパーへ行った。
車を降り、2人は別々にスーパーへ入った。

先に買い物を終えた久美子がレジの近くでチスンを待っているとチスンが見えたので、思わず手を振った。
チスンは首を横に振り気づかないふりをした。

(え?何?)

チスンは久美子の買い物カゴの中に財布と車のカギを入れると、別のレジに並びに行った。

(これって…別々に支払い済ませて先に車に戻ってろってことかな?)

久美子がレジに並んでいると、チスンの後ろに並んでいる女性が睨みつけてきた。

(な、なに…あの人…)

不審に思いながらも支払いが終わった久美子は駐車場に戻り、車の中でチスンのことを待っていた。
しばらくしてチスンが戻って来た。

「ごめん、ちょっと頭を下げて隠れて」

「え⁈う、うん」

車を走らせ、しばらくするとチスンが久美子の頭を軽く叩いて合図する。

「もう普通にして大丈夫だよ」

「うん、どうしたの⁈」

「買い物してたら俺だとバレたみたいで…ずっと後をつけられてたんだ」

「駐車場まで⁈」

「…うん」

「怖いよ。だからあの時、私に気付かないフリをしたのね」

(もしかしたら、レジで睨んでた女性…?)

「クミと安心して一緒に買い物も出来ない…」

「チスンは変装してもオーラがあるからすぐにバレそうだしね」

「はぁー」

チスンは深くため息をついた。



その日の夜、食事を終えた2人はソファーに座りお酒を飲む。

「そう言えば、昨日店長と食事に行ったんだけど…ホンユさんも一緒だったの」

「ホンユも⁈どうして?」

「店を閉めて外に出たら、ちょうどホンユさんが来てて…」

「それで3人で食事に?」

「…うん。ご一緒したいって言うから…」

「…そう」

「怒った?」

「ううん。ホンユから何か言われた?」

「え?何を?特に何も言われなかったよ」

「それならいいんだ。それより俺、明日からしばらく早く帰れそうだから、クミより先に家に帰ってると思う」

「本当に?嬉しいなー!真っ先に帰って来るね♡」









しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25) 「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」 ◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20) 「京都案内しようか?今どこ?」 再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。 「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」 「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」

エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―

久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、 人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。 そんなある日、とある事件から、 オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、 ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。 けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく ――理不尽な『営業停止』の通告だった!? 納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。 冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……? 「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、 お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー! ※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中

課長のケーキは甘い包囲網

花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。            えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。 × 沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。             実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。 大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。 面接官だった彼が上司となった。 しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。 彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。 心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

恋は襟を正してから-鬼上司の不器用な愛-

プリオネ
恋愛
 せっかくホワイト企業に転職したのに、配属先は「漆黒」と噂される第一営業所だった芦尾梨子。待ち受けていたのは、大勢の前で怒鳴りつけてくるような鬼上司、獄谷衿。だが梨子には、前職で培ったパワハラ耐性と、ある"処世術"があった。2つの武器を手に、梨子は彼の厳しい指導にもたくましく食らいついていった。  ある日、梨子は獄谷に叱責された直後に彼自身のミスに気付く。助け舟を出すも、まさかのダブルミスで恥の上塗りをさせてしまう。責任を感じる梨子だったが、獄谷は意外な反応を見せた。そしてそれを境に、彼の態度が柔らかくなり始める。その不器用すぎるアプローチに、梨子も次第に惹かれていくのであった──。  恋心を隠してるけど全部滲み出ちゃってる系鬼上司と、全部気付いてるけど部下として接する新入社員が織りなす、じれじれオフィスラブ。

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

処理中です...