74 / 76
74話 2人だけの時間
しおりを挟む「お客さん、誰も居ないねっ」
「みたいだね…」
すると支配人がワインを運んで来た。
「ありがとう」
「もう、料理の方はお出しになってもよろしいでしょうか?」
「お願いします」
2人は久しぶりに乾杯した。
「クミ、すごく似合ってる。一段とキレイだよ」
「あっ…ありがとう」
「久しぶりにお酒飲むよね…」
「本当だね。でも今日は突然どうしたの?チスンから直接、何も聞いてなかったから」
「クミと久しぶりにゆっくり過ごしたかった…朝はバタバタして言いそびれたから、ホンユに頼んだんだ」
「電話かメールでもしてくれたらよかったのに」
「…そうだね」
「でも、すごく嬉しい‼︎お店もめちゃくちゃお洒落だし」
料理が運ばれると、チスンはお肉を食べやすく切り久美子に渡した。
「ありがとう」
「たくさん食べて」
「うん。めちゃくちゃ美味しいんだけど。柔らかいし、こんなお肉初めて食べた~」
「よかった」
美味しそうに食べる久美子に、チスンは見惚れていた。
「チスンも食べてよっ。私が切ってあげる!」
「えっ、いいよっ」
「いいからっ」
「俺、病気になってからは食事しても味がしないし、段々食べるのもキツくなったからアメリカではまともに食事出来なかったけど…またこうして美味しく食べられる日が来るなんて思いもしなかった…」
「…本当だね。本当によかった」
「クミとジスンのおかげだよ。クミとジスンが生きる勇気をくれたんだ。だから成功率が低い手術も迷うことなく受けた。成功したのも生きたいってっていう気持ちが強かったからだと思う」
「チスン…」
「時々、夢かなって思ったりすることもあるし…」
「夢なんかじゃないよ」
久美子は腕を伸ばしてチスンの頬っぺたをつねった。
「痛っ」
「ね!夢じゃないでしょ」
「はい…」
「それにしても、何でお客さん来ないんだろ…」
「貸し切りにしたから、誰も来ないよ」
「えっ⁈貸し切りにしたの⁈ど、どうして⁈」
「、、、、」
「あっ…そっか。チスンはこれから復帰するのに、誰かに見られたらマズイもんね。だからか…」
「違うよ」
「え?」
「今日は2人にとって、大切な日にしたいから」
「大切な日…?」
「それに…今朝、記者会見したのが今頃ニュースで流されてるはずだから、もう世間に知られてるよ」
「え⁈どういうこと?記者会見って⁈」
「結婚するって会見した」
「えっ、嘘っ…」
「だから、携帯の電源切ってるよ。ハハハ」
「え…」
「本当、色々と遅くなってしまった…」
「チスン…」
8
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛
ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり
もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。
そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う
これが桂木廉也との出会いである。
廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。
みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。
以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。
二人の恋の行方は……
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
【完結】こっち向いて!少尉さん - My girl, you are my sweetest! -
文野さと@書籍化・コミカライズ
恋愛
今日もアンは広い背中を追いかける。
美しい近衛士官のレイルダー少尉。彼の視界に入りたくて、アンはいつも背伸びをするのだ。
彼はいつも自分とは違うところを見ている。
でも、それがなんだというのか。
「大好き」は誰にも止められない!
いつか自分を見てもらいたくて、今日もアンは心の中で呼びかけるのだ。
「こっち向いて! 少尉さん」
※30話くらいの予定。イメージイラストはバツ様です。掲載の許可はいただいております。
物語の最後の方に戦闘描写があります。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない
朝陽七彩
恋愛
十五年ぶりに君に再開して。
止まっていた時が。
再び、動き出す―――。
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
衣川遥稀(いがわ はるき)
好きな人に素直になることができない
松尾聖志(まつお さとし)
イケメンで人気者
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる